平気。

もう僕じゃなくていいんだ。
後戻りは出来ないんだ。
それでも後悔はないけど、
まるで空から落ちるような感覚で、
一言だけでいいから言わせてほしい。

「産んでくれてくれてありがとう。」

僕は最初から死にたくて仕方なかったけど、
時間が経つほど強くなっていくのを感じた。
平気。なんて 何度も言ってみるけど、
平気。じゃないこと 中身が腐ってるのも知ってる。

勇気を吐いて生きて来たよ。
泥濘(ぬかるみ)に浸かりながらも、
汚れた服も引きずりながら、
これから訪れる日を迎え入れよう。
ただひとつ深呼吸だけは忘れずに、

「最期の挨拶、忘れないで。」

僕の身体が変化する毎に僕は笑った。
僕の身体が変化する毎に家族は泣いた。
平気。だって 手の平を返されたから、
平気。と帰れる家は失くなったのを悟った。

ありがとう。 ありがとう。 呟きながら、
意識が薄れていき、目は開けられるかな?
どうか、どうか、生きて帰って、
本気で笑って、本気で恋したい。

僕は目覚めたくなくて仕方がなかったけど、
僕は目覚めて、はやく明日を知りたいと思った。
平気。なんて とうに失くした気持ちでも、
平気の初心が 変わる僕にも残ってるはずで、
だから、二度と会えなくなっても、
「産んでくれてくれてありがとう。」

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