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逆噴射小説大賞2021あとがきだぜ

 今年の10月に開催された逆噴射小説大賞2021に私も参加しましたので、カッコつけてあとがきと称して投稿した3作の紹介をさせていただきます。


①"犬"に遭った日

 実話怪談風の文体でモンスターホラーをやってみる試みでした。結果として、どちらの良さも殺してしまった次第となりました。主観人物が現実に体験した不可思議体験として語られる、つまり本当にあった怖い話であることが醍醐味の実話怪談と、バリバリ虚構の存在が無辜の人々に理不尽に襲い掛かるモンスターホラーを融合させても上手くいくわけないだろ!(正論)

 そもそもキャンプ場という舞台のセットアップに分量が割かれていて前半は退屈だし、物語がドライブするのもラスト間際というバランスの悪さに投稿後読み返してみたら軽く頭痛がしました。

 ちなみに、若い男の集団がノリでキャンプに行ったら地獄のような目に遭うという筋書きは実話怪談ツイキャス「禍話」の『キャンプの嘘話』をリスペクトさせていただきました。
 リライト本放送の語りのどちらもそれぞれの良さがあるので両方見て下さい聴いて下さい。
 "犬"のビジュアルは『エイリアン3』の犬型エイリアンに黒い体毛が生えて体中に謎の瘤が突き出ている感じです。


②火星呪殺行

 火星と呪殺を組み合わせた全く新しい小説(大嘘)
 構想初期では、後半の政府高官の居宅での一幕がメインになる予定でしたが、話に動きがなく、キャラの動きも受け身になっていたので、前半にドンパチさせてドライブ感を無理やり出そうとしました。

 強化外骨格を纏ったゾンビソルジャーとサイバネ多腕の武装シスターの密度のうっすいバトル描写もそのために生み出されました。

 ネクロマンシーに呪術、サイバネティクスに火星SFと色気を出して様々な要素をマシマシにしましたが、800字の制限下ではただ目に付くようなワードをまぶしただけの重みのない小説となってしまいました。反省。



③おれは殴リーマン

 10月の最後の週末、つまり投稿期限ぎりぎりにワクチンの副反応におびえながら書きました。

 憂鬱な日曜の夜に月曜からのやる気も出るようなスカッとするサラリーマン小説を出してみました。まあ、厳密にいえば語り手の主人公はサラリーマンではないんですけどね……。

 これぞ低俗なパルプ小説という一作を出せたかと思います。他の投稿者のみなさんがアイデアと文章を凝らした魂の一作を出しているのになんで俺はこんなものを……。とはいえ、実力のない身分に身の丈に合わない名作・傑作など生み出せるわけもなく、こういうカストリ紙に載っているような読み飛ばし上等な三文小説が俺の精一杯だぜ!
 分相応だな! しぼり!

 そう自分を卑下しながらも、投稿後に読み返してみたら思いました。

 企業の雇った闘技者同士の殴り合い…………これ要はケンガンアシュラじゃね!!??


おわり

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