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とことんまで『セナ・トリビュート』 ~2019年F1第20戦ブラジルグランプリ~

2019 FIA フォーミュラ1世界選手権 第20戦ブラジルグランプリ
2019.11.17 @サンパウロ・インテルラゴスサーキット

とことんまでセナ・トリビュート

セナ没後25年の節目のブラジルグランプリ、決勝日が本田宗一郎さんの誕生日、ホンダPUがワンツーフィニッシュに三位がマクラーレン、まるで運命に導かれるような『セナ・トリビュート』レースだったように思う。

優勝 マックス・フェルスタッペン(アストンマーチン・レッドブルレーシング)

圧巻の走り、予選全セッションでトップタイムを叩き出すと決勝でも鬼門のスタートを上手く決め、ウィリアムスのアンセーフリリースなどトラブルがありつつもポール・トゥ・ウィン。
夏休み明け以降、なかなか調子が上がらずにいたマックスだけど、ここにきて真の実力を発揮してくれた。
マックスもプレッシャーがあったと思う、夏休み明け途中加入のルーキードライバーのアルボンが『実質的な自分専用車』をいきなりスイスイ乗りこなして見せたんだから。
そういう形のプレッシャーはマックスにとって恐らく初めての経験だったと思う、今までは良くも悪くもお山の大将だったわけだし。

これでまた一つ上のレベルに上がったマックスのこれからの走りに期待大。

二位 ピエール・ガスリー(スクーデリアトロロッソ・ホンダ)

親友の死、自身の不調とそれに起因するルーキードライバーとのトレード移籍・・・ 今年のピエールは辛いことばかりだったように思う。
それでもひたむきに努力を重ねた彼に神様はこの終盤、ご褒美を与えてくれた。
ピエールの満面の笑顔が見れて、ホントに良かった。

スーパーフォーミュラ出身のドライバーがF1で結果を出すのもまた嬉しいね。

三位 カルロス・サインツ(マクラーレン・ルノー)

ハミルトンのペナルティが絡んだとは言え最後尾スタートからの三位フィニッシュは素晴らしいの一言、唯一残念だったのはそのペナルティ確定がレース後になってしまったおかげで初のポディウムなのに、ポディウムに上がれずじまいになってしまった事。
でもまあ、この走りが出来るのだから、近いうちにちゃんと正真正銘実力だけでポディウムに上がれる時が来るでしょう。

以下、ポディウム外で気になったドライバー。

三番手フィニッシュ→ペナルティで七位降格 ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG F1)

コンストラクター・ドライバー共に年間チャンピオンが決まって気が抜けてしまったのか、はたまたチーム代表のトト・ウォルフ不在(21年のルール改正に向けての取り組みに専念する為)により普段より二言三言多い無線のやりとりを生みストラテジストにプレッシャーになってしまったのか、普段のメルセデスとは何かが違っていた。
ピットワークで奇策に走り、結果的に策に溺れてしまう形になってしまったし、ハミルトン自身はレース終盤に後に『完全に僕のせい』と表明するような接触を起こしてペナルティを食らってしまう始末で。

『上手の手から水が漏る』とはまさにこの事だなあ、と。

十四位 アレクサンダー・アルボン (アストンマーチン・レッドブルレーシング)

途中まで見事なドライビングを見せ、フェラーリがやらかした後は『これは初ポディウムか? しかもホンダPUが表彰台独占か?』と期待させてくれていたけども、最後の最後でハミルトンと接触してしまい、ポイント圏外の十四位まで落ちてしまったのは残念。
でも、これは考えようによっては『彼は2ndドライバーとしての仕事を全うした』とも言えるわけで、胸を張って良いと僕は思うのです。

十七位完走扱い シャルル・ルクレール
十八位完走扱い セバスチャン・ベッテル(共にスクーデリア・フェラーリ)

まさかの同士討ちクラッシュ、こんなんしてたらマジで『ハースのBチーム』って言われちまうぞ。

チーム代表のマッティア・ビノットは戦略として二人を自由に戦わせた事を認め、その上でこの結果に関しては『愚かだ』と断じたが、まずこの同士討ちクラッシュの原因は戦略上の『チームオーダーor自由に戦わせる』の問題ではなく、ドライバーがヒートアップしかけた時点でチームがクールダウンさせる事が出来てないという所にあるのだと思う。
そこをちゃんと認識できない限り跳ね馬復権は遠い道のりだと言えるのではないか。

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