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さまざまな風景のうた19

ねがいとは裏腹にある今はただまぼろし見つ  めるいつかみた夢

心身を縛るおもいに気づかずに今ある幸せわれと共に

ささやかな君と二人の沈黙も永遠にあれよと常に思う

雨空に何することもなく過ごす部屋君がいないととても広い

目覚めれば窓の隙間の薄明かり求める虫もいとおしく思う

晴れわたる空に浮かぶいわし雲心のすきま映す如くに

おだやかに秋は君と過ごしけりあわい光は永遠に輝き

君とわれ何することなく過ごしけり沈黙も永遠に心つながりて

目覚めれば空高くすみゆきて心も晴れたりまぶしき風に

見上げれば頭上を覆う天蓋の青き空に心うるおせり

身に刺さる寒さに心ふるわせて見えぬ鼓動に望みを感じて

うつりゆく季節の果てに今はただ一つにならん天のことわりに

言葉など無くても君とわれは今瞬間の永遠を共に生きん

しずけさに包まれ床に横たわりまばゆき時を心に抱きて

薄れゆく光にいつしか時はゆき寒さもいとしく命に満ちて

眠れずに窓の外に起こされて真空の魂も熱き血潮に

床に臥し枯れ木の如く横たわり心はみつる姿とは裏腹に

あかね飛び空のかなたによせるのは光にみちる熱き血潮

世はすべてまばゆき光に照らされる臥して気づく命のきらめき

しずけさにわれもとけこみ今はただ五感しみる感触を確かめ

やすらぎを与えて君と眠りたり刹那に時は光
輝いて

窓辺から差し込む陽のまぶしさに身は震えたり刹那のきらめきに

ねがいとは裏切られつつ時はゆきされど今は光と共に

あこがれもきらめきも見た時は逝きしずかにかえるやさしさと共に

薄曇り心をうつすしずけさにため息も寒くただ時をみつめて

めぐりくる秋も過ぎゆき去る姿されど君とは永遠にあたたかく

眠れずにこの身を騒がす心象にくちる思いもゆるやかに流れて

様々な思いに駆られゆく時も安らぎ与える花は匂わせ

うすれゆく時の刹那によぎるのは心の中の果てなきあこがれ

さすらいて心騒がす営みも避けて君と静かにあらん

今一度君と安らぎ時を止め安らぎ歩む心を与えて

きらびやかな世界をうつす鳳凰も雅匂わす花弁の鏡

色あざやかな宮廷人の華やかさ鏡に輝く秋風をうつして

花弁の鏡移り行く時を超えて今もなおいにしえうつす心のまほろば

咲きほこる時を映してあざやかなにしずかに眠る花弁の鏡

肌寒き朝の光に照らされて求める思いは遠きあたたかさ

※今回は三十六首です。よろしくお願いします。

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