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夜明けの鏡2 (オリジナル小説)

それからしばらくして私と尚輝は結婚した。
真希も静佳もすごく祝福してくれた。
みんなが自分のように喜んでくれて私は嬉しかった。

結婚してからの私は仕事もながら家事もこなしていた。
こう見えても私は料理が得意なんだ。
尚輝はいつも「おいしい、うますぎるー。」と食べてくれた。
こんなに幸せでいいんだろうか?と思うくらい毎日が幸せだった。

ある日、尚輝が夕ご飯を外で食べようと言ってきた。

「たまには何か食べに行こう。かの子もたまにはご飯作りしないで、おいしいもん食べなきゃ。」

「じゃあ、私の好きなものでいい?
だったらハンバーグ。」

私がそういうと尚輝はうん?という顔をして

「ハンバーグなんかいつでも食べれるよ。
なんかもっと高級なものにしよう。」

とニカッと笑いながら尚輝がいう。

「私はハンバーグがいいの!ハンバーグじゃなきゃ嫌!」

私はムキになったように言った。尚輝はあきれた顔をして

「わかったよ。じゃあハンバーグ。でも専門店にしような。」

「えっ⁉︎あるの!専門店!私ファミレスと思った。」

私がそういうと尚輝はいたずらっ子のような顔をして、国道沿いにとても静かなお店があり、大きさも決められて、飲み物もたくさんあると説明してくれた。

私達は近くだから歩いて行くことにした。
近くにそのようなお店があるとは思わなかった。

とても大きくて、その場で作ってくださるハンバーグはとてもおいしくて、私は食べられなかったから、箱に入れてくれてお持ち帰りにした。

お店を出て、空を見上げると星がとてもきれいだった。

「こんなまぶしい街でも星はきれいね。」

尚輝は黙ってうなずいた。

その時、私は急に心臓を鷲掴みにされるような苦しみに襲われた!!
脳が何かに食い荒らされてるような苦痛も襲ってくる!目の前がぼやけていく中、苦痛が私の全身を襲う!!

「……尚輝………苦しい……私の中で何かが……。

それだけしか言えない。とても苦しい!助けて!

「かの子どうした!大丈夫か!おい!」

その言葉は覚えている。その後、私はだんだんと意識が遠のくのを感じた。尚輝の名前を読んだけど、きちんと話したのかも覚えていない。私はそのまま意識を失った……。

それから意識を取り戻した時、私は病院のベッドに横たわっていた。
あれからどのくらい時間が経ったんだろう?

「かの子、かの子、わかるか?俺がわかるか?」

尚輝が私に呼びかけていた。私は静かにうなづいた。尚輝は少しホッとした表情をうかべて、やさしく微笑んだ。

「かの子、何も心配する必要はないからね。職場にも連絡したから。あとは元気になるようにゆっくりしてたらいいからね。」

私は黙ったまま、うなづいた。
それからだった。私が夜中に鏡に向かって独り言をいうようになったのは……。
すべてその日からだった……。


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