さまざまな風景のうた17
われもまた陽に照らされるもの皆共に秘めたる思い誰も知らぬなり
誰が知る風が行く様ある様をただことわりにゆだねゆくのみ
箱庭で遊ぶ人皆知らされぬ世のうつろいを畏れぬままに
気まぐれな思いの底に見え隠れ小さき存在のわれを映して
むなしさに心動かしうつむけば川瀬をなでる風優しけり
陽の光心を洗う優しさにわれは静かに時を遊ぶ
待ちぼうけ食らったような心の底われを包む風にまかせて
寒き身をロウソクほどの明るさにせめて照らす心あたためんと
雨音にふと目覚めれば裾濡らすつめたき感覚時の静寂
まどろみてうつろに数える雨音になすこともなく身を縛りて
苦しみを知って尊き光をも放つ命を愛しく思う
人知らぬ世の煉獄に晒されて命の尊さただそれのみ
※今回は久しぶりですが十二首です。短歌は一日一首、5年以上は続いています。これからもコツコツ続けたいと思います。
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