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プライシング大全#6_価格競争への対処方法について~スモールビジネスで損失を避けるための防御法

はじめに

※この記事はプライシング大全の続編です。
プライシング大全1
プライシング大全2
プライシング大全3
プライシング大全4
プライシング大全5
を読み直してからの閲覧をおすすめします。

これまでのプライシング大全振り返り

これまで、プライシング大全では本当に様々なことについて解説してきました。

第一回では「値上げが利益に与える”とんでもなくでかい”影響」について定量的に説明し、いかにプライシングが大事なのか、それにもかかわらず解決されていない課題について解説しました。

続く、第二回では「価格とは何か?」から始まり、基本原理(超重要)、歴史、2021年のプライシング関連ニュースの解説、プライシングの全体像と4原則(超重要)などについて解説しました。

第一回と第二回で座学的、本質的な話を一通りし終えました。

そして、第三回では具体的なプライシング戦略と企業のケーススタディ、プライシングが成功する企業になるための条件について解説。特に知覚価値・コストをコントロールするための価格モデルを知っているのと知らないのでは利益率に大きな違いが生まれることでしょう。

第四回ではダイナミックプライシングと心理学・経営学的観点から実践するだけで利益を伸ばせるテクニックを38個に渡り紹介しました。ここまでの知識を使うだけでも利益を伸ばすことは十分に可能でしょう。

第五回では先進的プライシング企業に生まれ変わるための実践ステップを説明しました。もちろん、大量の資金と時間を掛ける必要のある大企業しかできない内容ではありません。中小企業・個人オーナーでも実践に移れるよう、必要な部分のみを記載した内容です。第五回でやっと適正価格を算定する具体的方法の解説がありました。つまり、プライシングにおいて適正価格を算定することは「ほんの一部でしかない」ということなのです。

ここまでの内容を身に付けるだけでプライシングに関しては世間の99%より上位に位置することでしょう。

価格競争への対処はダメージを減らすためにある

プライシング大全は利益を伸ばすためのプライシングについて体系的にまとめた連載です。しかし、プライシングを語る上で価格競争からは逃れることはできません。

価格競争への対処というのは”基本的に”利益を伸ばすためのものではありません。値下げ圧力を受けることによるダメージを減らすためのものです。

"基本的に"と書いたのは価格競争が発生しても利益を伸ばすことができる可能性が残されているからです。今回は「価格競争」の全てについて解説していきます。

こんな人は是非読んでください

  • 価格競争が発生する原因はご存じですか?

  • 価格競争を発生させないためにあなたができることがどれくらいあるかご存じですか?

  • 価格競争の被害を抑えるには「販売数量を減らす」のと「価格を下げる」どちらを選ぶべきですか?

  • 「値下げ」よりも被害が少ない「実質値下げ」の方法は知っていますか?その影響がどのくらいか分かりますか?うまく機能する理由は説明できますか?

  • 価格競争が発生しても値上げすることができますか?

上記の質問に自信をもって答えられるのであれば読む必要はありません。少しでも興味を持った方は是非ともスモールビジネスの教科書の購読をよろしくお願いします(2022年5月に追加予定です)。

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