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UPWARD CS 7つの基本戦略

このnoteについて

UPWARD CCO (Chief Customer Officer/最高顧客責任者)の剣持と申します。このnoteではUPWARD Customer Successの基本戦略を公開します

また、「UPWARDカスタマーサクセス」マガジンにて、UPWARDのCS戦略、戦術、取り組みを公開しておりますので、こちらもぜひご参照ください。

UPWARD カスタマーサクセスマガジン

基本戦略の位置づけ

戦略とは特定の目的を達成するために、長期的・大局的視野に基づいて組織行動を立案・遂行するための策略のことです。UPWARD CSの場合、「特定の目的」はUPWARD CSのVision、Missionにあたりますので、本noteで公開する基本戦略は、このVision、Missionを実現するための長期、大局的な方針となります。

本noteで紹介する基本戦略の位置づけ

以下、UPWARD CSの7つの基本戦略を紹介します。また、戦略をより詳しく理解いただくため、その説明や、具体的な戦術例(オペレーション)も紹介します。

なお、本内容は実際に社内でNotion上で全体公開している内容をそのまま記載しております。

UPWARD CS 7つの基本戦略

戦略①:タッチモデルの運用による最適なリソース配置と、セグメントごとの特性にあった最適なオペレーション設計・実行

  • UPWARDは顧客ごとのACVの分散が大きく、最小ACVから最大ACVまでの金額差が100倍以上あるため、全ての顧客に同一の密度とオペレーションで対応するのは効率的ではなく、高ACV帯の契約をより確実に守り、低ACV帯のChurnは一定許容するという効率性が重要である。

  • したがって、適切な顧客に適切な密度とオペレーションで対応できるよう、顧客ごとのACVに基づきセグメンテーションし、セグメントをベースとした組織設計、対応基準を設けることで適切なリソース投下が行えるような状態を作る。

  • ハイタッチ層は一社あたりの収益が大きく、契約更新が業績に与える影響が大きい。ハイタッチ専任チームを設け、一人当たりの担当社数は抑え、CSMが一社ごとの対応に十分な時間をかけ、対アカウントの戦略的なアプローチが行えるようにする。

  • ロータッチ層は質と効率のバランスを重視する。オンボーディング、アダプションそれぞれのフェーズの専任チームを組成し、それぞれのフェーズでCSMが個別に計画を立てフォローを行うが、一定の仕組み化、標準化のもと対応する。

  • テックタッチ層は人的なフォローは最低限とし、セルフオンボーディングを前提とし、マス向けの情報提供のみで対応する。セルフオンボーディングできない顧客のChurnは許容する。

戦略②:オンボーディングを重要視し、オンボーディングの成功とTime to Useの最短化に注力する

  • オンボーディングが成功すれば、アダプションも効率化され、成功の確率も向上するため、ヘルシーに契約更新が行える可能性も高まる。また、オンボーディングが早期に完了するほど初回契約更新までの時間的余裕が生まれる。このことからオンボーディングフェーズはカスタマーサクセスにおけるROIが特に大きいため、重要視する。

  • 事実として、FY20頃までは、Churn要因として「オンボーディングの失敗」が全体の1/4程度で最も多い理由であったが、これがFY21以降これが半減したことによりChurnの改善も実現した。

  • ハイタッチ層においては前提として一社ごとの対応を戦略的に行うため、この中でオンボーディングにも注力する

  • ロータッチ層は、オンボーディングとアダプションでチームを分割し、常にオンボーディングに注力できるリソースを確保するとともに、オンボーディングに特化したナレッジとスキルを蓄積することでオンボーディング品質を担保する。

戦略③:アダプションでは利用データによる定量的なヘルスチェックと、定期接点などによる定性的なヘルスチェックに基づき顧客ごとのリスクとチャンスの把握、対応計画を設定、修正し、確実に実行する

  • プロダクトの利用状況は常に可視化し、CSMが確認可能な状態にする。利用状況が想定に対して低ければリスクとみなし、良好であればExpansionのチャンスと捉える。

  • 利用状況の如何によらず、定期接点による定性情報は必ず確認する。利用状況が良好だから必ずしもリスクがないわけではない。顧客の営業方針の変更、体制の変更といった定性的なヘルスチェックも行い、利用状況との両面でリスク管理をすることが重要である。

  • 定期接点を担保するために、各セグメントにおいて「顧客カバー率」を重要KPIとし、管理。達成必須の行動目標として定める。

  • ヘルスチェックにて得た情報を元に今後の対応計画を決定、修正し、対応計画(MCP)、ToDoに反映。確実に実行し切る。

戦略④:Expansionは商談化(Pipegen)をCSの主要ミッションと捉える

  • 既存顧客のExpansionはChurn Rateの担保とともに、SaaSの成長担保において非常に重要な指標である。※ChurnとExpansionを総合的に加味し、既存顧客の収益状況を示すNRRはSaaSの評価において重要な指標である。

  • Expansionの観点でCSの専門性をもって最も効果的に貢献できるのは商談機会の創出である。日々のオンボーディング、アダプションの詳細なコンディションを把握できていること、プロダクトや他社事例に深い知見があることを活かし、担当顧客に対する新たな提案の余地を見つけ出し、ニーズを顕在化させ、AEにトスアップする。商談の進行、クロージングは専任であるAEに実施いただく。

  • このため、Expansionについては期間ごとのPipegenを重要KPIとする。Expansion実績(受注金額)は副次KPIとし、Pipegenの中身が適切な質になっているかをチェックする目的で管理する(形式上のPipgenをしていないか)

戦略⑤:顧客フィードバックを業務として明確に定義し、仕組み化、KPI化することで実行を担保する

  • 顧客フィードバックはCSの重要な役割である一方で、文化、自主性に委ねられ実行が曖昧になりやすいテーマである。確実な実行を伴うため、組織の取り組みとして明示的に組み込むことを意識し、仕組み化や評価指標に組み込みによって実行部分を担保する。

  • 仕組み化については例えば、「顧客ユースケースの社内共有」を勉強会という座組にし、全社公開することで顧客フィードバックをルーティンとして業務に組み込むことや、プロダクトへのリクエストの起票方法を定型化し、誰もが起票可能な状態にすることなどが含まれる。

  • 評価指標への組み込みについては、上記のような施策の実行を目標設定にし、その実行をもって評価対象にすることや、事例獲得を定量KPIにすることが含まれる。

戦略⑥:Vision、Missionに則す、成長意欲の高い人に合わせたオペレーション設計を前提とし、意欲の高い人が働きたくなり、成長できる環境をつくる

  • オペレーション設計においては、誰にとっても無難なもの、ではなく、Vision、Missionの実現にとって最適であり、高い成長を目指す人が気持ちよく働け、実際に成長できることを重視する。

  • Vision、Mission、基本戦略の共通理解が重要であるため、新規メンバーにはCCOが直接説明を行うとともに、組織全体に対し繰り返し、継続的に説明を行う。

  • これにより、組織の成長や目線を高く保つことに努めるとともに、意欲的な人が働きづつけたい、ジョインしたいと思える環境を作る。

  • 例えば、コミュニケーション設計は、オープンコミュニケーションを重視することにすることにより健全性やナレッジ化を担保することが優先される。全員が見える場所では質問、相談しづらいという意見に迎合し、クローズドなコミュニケーションの場を公式に作るような設計は行わない。

戦略⑦:仕組み化と標準化に務め、効率と品質の担保し、顧客基盤拡大に向けた組織拡大が可能な状態を作る

  • UPWARDは年40%以上のARR成長をベースとした事業計画を立てているため、急激な顧客拡大に耐えうる組織構築が必要である。

  • 顧客基盤が拡大し、人員が増加しても、最低限のコミュニケーションで一定の品質でオートマチックに業務が実行される状態を作るため、仕組み化、標準化は後回しにせず、優先事項として対応する。

  • 例えば、顧客、更新商談プロセス管理をSalesforce上で行えるような設計とルールを徹底し、誰もが顧客の状態と計画がすべてわかる状態を作ることや、商談実行を標準化すること、Churn、Expansionの状況が簡易に集計できる状態を維持する。

  • 例えば、業務プロセスやルール、ナレッジはNotionに体系的に蓄積、言語化することで、業務に必要な情報が簡易にアクセスできる状態を作る。

  • 例えば、一般的な問い合わせに対する対応はテクニカルサポート部隊に集約することでその対応品質と効率を担保する。

さいごに

長文となりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。すこしだけ宣伝です。

現在UPWARD CSは組織の拡大に向け積極的に採用活動を行っています。UPWARDのMission、Visionや、戦略に共感いただけ、UPWARDのプロダクトや事業に興味を持っていただける方はぜひお話しを聞きに来てください。

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