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#19【営業ノウハウ】営業に求められる能力【各論③】

Vol.4【各論③】個別能力その2

#営業ノウハウ

営業に求められる能力シリーズ第4弾は、各論③の個別能力その2です。

営業として求められる能力

今回は提案における価値訴求を中心とした内容です。

しっかり事前準備した内容を、正しく・わかりやすく伝えてお客様の意思決定を促すというフェーズです。

この提案が独り善がりなものになってしまうと、いくら綿密に準備しようがお客様には価値が伝わらず成約につながりません。

主なポイントは以下のとおりです。

  • 具体的に何がどう変わるのか機能軸でなく業務軸でイメージさせる

  • どんな良いことがあるのか(価値)を具体的に明示する

  • 他社とは何が違うのかを反論の余地なく明示する

それでは各ポイントを見ていきましょう。

可視化

提案において重要なポイントのひとつが、このサービスやプロダクトを導入すると何がどう変わって誰にどんな良いことがあるのか、がイメージできることです。

この製品はこんな機能があってこんな強みがあるんです、と熱弁したところで、自分の業務がどう変わるのでどの課題がどう解決されるのか、がイメージできなければ、導入意向は高まりません。

この点で最もわかりやすいのが、業務フローを書いて示すことです。

ヒアリングで現状の業務と課題及びその発生原因を特定していると思いますので、それをフロー図にするだけです。

業務フロー図は様々な形式があり、自分に合ったものを探すか、会社がテンプレートを定めていればそれを利用しましょう。

例として私が書いているAs-Isのフロー図を載せます。

現状の業務フロー図サンプル

いつ誰がどのシステムで(もしくは手作業で)どんな業務を行っていて、度言う理由でどんな課題が発生しているか、がわかるように整理します。

これを叩きにして現状の業務及び課題認識と齟齬がないかを確認するのです。

As-Isの業務フロー図ができたら、今度は自社サービスやプロダクトを導入することによってどのような業務に変革することができるか、を仮説もまじえて描いてみます。

ヒアリングで聞き出したお客様の望む理想像以上に最適な姿を仮説として含めることにより、お客様の期待値を超えた提案が可能になります。

To-Beのフロー図も載せておきます。

変革後の業務フロー図サンプル

これによって、業務のどの部分が具体的にどう変わり、どんなメリットがあるのかがイメージしやすくなります。

これにより、機能軸ではなく業務軸で変革後の姿を思い描くことができ、お客様はより解像度高く導入メリットを理解できるようになるのです。

ポイントは初回提案時には100点満点を求めないことです。
あくまでも叩きとして議論し、お客様と現状と理想像をちゃんと共通認識として持つことが重要なのです。

価値訴求

現状と変革後の姿のイメージが描き上がったら、次に導入効果について明確に記載することで、ROI(投資対効果)を整理します。

導入効果には定性的なもの定量化可能なものがあり、どちらも重要です。

主な導入効果の生理

細かい項目ごとに効果を整理したものは稟議資料向けにExcelなどで別途まとめるとして、Executive Summaryとして主要なものを抜粋したページがあるとわかりやすいでしょう。

例えば私は以下のようにシンプルにまとめたりしています。

Executive Summaryの例

導入効果について具体的に整理できていると、稟議資料を作成する際の効率と効果の向上に大きなアドバンテージとなります。

差別化

最後のポイントが差別化です。

ここまで導入意欲を高めたのに、他社では同じことがもっと安くできるんだよね、と競合に掠め取られてしまっては全てが台無しです。

私見ですが、機能や価格は差別化のポイントになり得ません。

機能は開発すれば追いつけるし、価格は値引きすれば並ぶことができるからです。

なので、「うちはどこにも負けない豊富な機能が強みです」と声高に謳っている営業さんや経営者は注意が必要です。

他社が逆立ちしても追いつけない圧倒的優位性をひねり出せなければ、競合負けのリスクは常につきまとうと肝に命じてください。

ではその優位性とはどんなものがあるか?

サービスやプロダクトの性質、市場領域や成熟度などによって千差万別ではありますが、例として私が自社プロダクトの差別化で訴求しているポイントを挙げておきます。

①個別最適ではなくサプライチェーンの全体最適を目的としたプラットフォームである

市場領域の性質上、多数のプレイヤーが絡むサプライチェーンにおいて、個別領域の効率化、デジタル化では効果がありません。

LRPとして全ての業務領域に関わるプレイヤーと物流リソース全てをデジタル化し、可視化し、その最適活用を目指すことができるプラットフォームはMOVOしか現状存在しません。

②圧倒的な国内トップシェアを誇っている

上記と関連して、複数プレイヤーが連携して全体最適を目指していく場合、各プレイヤーがバラバラのシステムを使っていると連携の実現は遠くなってしまいます。

あそこも、あそこも、あそこもみんな使ってるプラットフォームなら簡単にみんな繋がれるよね、というのはこの市場特性においては圧倒的な強みになります。

例えば複数メンバーが全員リアルタイムに連絡を取り合いたいとき、どのコミュニケーションツールを使うか、という議論で、日本では圧倒的トップシェアのLINEがあるのにわざわざカカオトークを選定しないよね、という話です。

③ツールを提供するだけでなく、ツールの活用を通じたDXまで支援できるノウハウとリソースがある

多くのSaaSベンダーがTech Touchと称して”契約したら勝手にマニュアル見て頑張って使いこなしてね”というスタンスだと思います。
(もちろんそうではない企業が多いことも承知です、あくまで一般論です)

Hacobuは導入前の提案、導入定着支援、蓄積データを活用したさらなる効果向上の支援、さらには経営戦略としての物流DX施策立案をコンサル部隊が支援するサービスまで、状況や要望に応じた手厚いサポートが可能です。

ここまでできる競合は多くなく、上記の圧倒的トップシェアを背景とした業界一豊富なノウハウは現状唯一無二です。

図らずも弊社の宣伝みたいになってしまいましたが、機能や価格ではなく他社がそう容易には追随できない圧倒的優位性というのは、例えばこんな内容です。

さて、これらの要素が揃えば訴求力の高い提案書が出来上がると思います。

いよいよ次回はシリーズラスト、提案によって導入意思決定頂いた後に確実に受注まで持っていく案件コントロールと、各案件を客観的に正確に評価し、自身の目標達成の確度を高める数字管理のスキルを説明します。

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