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法の解釈について書こうとしたら、その日のうちに知りたかったワードにたどり着いた話




1.よくある「あ、コレ!」な話

「めったに聞かない珍しい話やワードなのに、同じ日に2回聞いちゃってびっくり」みたいなこと、よくあるじゃないですか。

これは「流行語大賞が『アレ』です」という夜のニュースと、「職場の人が『アレ』で決まりでしょと昼間話していたこと」を2回と数えるのではなく、
「小学生の頃好きだった児童文学書を本屋で何気なく手に取った」と「その作家が孤独死していたという話を夜のニュース番組で知る」みたいな2回です。

そういう体験、中高生の頃は「すごいミラクル起きた!」と感動していたけど、歳を重ねると「結構こういうことあるよねー、不思議だねー」くらいの気持ちになってしまい、我ながらつまらん大人になってしまったわね!とツッコミたくなります。

正直、1日に2回くらいの偶然は、時々ありますよね?

でも、2日で3回この偶然が起こったら、さすがに「これは、すごくない?」とちょっとテンション上がるというものです。

2. 決選投票

学校で、生徒会選挙がありました。
副会長候補の2人はどちらも過半数を取れなかったため、生徒会選挙規定第24条「最高点者をもって当選とする。有効投票数の過半数に達しない場合は上位の2名をもって決選投票を行う」に基づき、翌日決選投票が行われました。
その結果、票の多かった方が過半数を獲得して当選、となるはずが、結果はなんと同票。
さあ困った、どうやって副会長を決めるか。
じゃんけんとか、二人でくじ引きとか、選挙管理委員(または評議員)に方法を決めさせるとか、いろんな案が出ました。
が、最終的には、生徒会選挙規定の文言の通り、もう一度決選投票を行うことになりました。

考えてみれば当然のシンプルな結果ですが、もともとあるルールをきちんと解釈すること、つまり「法の解釈」って大事だなあと感じた一件でした。


3.保健厚生課との懇談

組合のお仕事で、県の保健厚生課の皆さんと懇談をしました。

保健厚生課は、私たち教職員の健康管理に関わることを担当していて、健康診断や人間ドックについて制度を決めてくれています。

懇談の中で、「財源も少ないので、制度や人間ドックメニューの見直しをしている」という話があったのですが、それってつまり、法律の文言を精査して、どの範囲まで制度として規定すべきなのかを考えることなんだそうです。
具体的に言うと、法律ではここまでやるべきと書いてあるから、人間ドックメニューに胃検診を入れましょう、みたいなこと。

ああ、これも「法の解釈」の話なのねーと思った一件でした。


4.臓器移植法のニュース

懇談を終えた日の夜。臓器移植に関するニュースをテレビで見ました。
要約すると、
「ある臓器移植斡旋業者が海外での移植をコーディネートした。
移植の斡旋は厚生労働省の認可を受けていないとしてはいけないという法律があり、業者は罪に問われているのだが、業者は『海外での移植を斡旋したのだから、日本の法律は関係ない』と主張。しかし裁判では『移植したのは海外でも、斡旋したのは日本国内なので、日本の法律が適用される』という判決が出た」という感じ。

ああ、これも「法の解釈」だなあ。
一方は、この法律はこう解釈できるじゃん?と抜け道を探したわけだけど
(もちろん,患者さんを救いたいという善意からだと信じたい)
他方は、その法律そういう意味じゃないから!と言っているわけで。
法の解釈の相違だなあと思ったわけです。


5.「ゆる言語ラジオ」で起こったミラクル

そんなわけで、2日の間に「法の解釈」関係の話を3回聞きました。
でもこれって、奇跡が起こってるわけではなく、最初の決選投票の時点で「法の解釈」について敏感になったから、あとの二つを目にしたときに「あ、コレもそうだ」と思っただけなんだろうなあ、と考えました。

自分が妊娠すると急に世の中の妊婦さんが目につくようになる、とか。
自分がトイレ掃除の担当になったとたん、トイレの汚れが気になってしょうがなくなる、とか。

こういうことを表す心理学用語があったような気がしましたが、思い出せなくてモヤモヤしていました。
これ、noteの記事にしようかなあ。なんて言う心理学用語だったか、あとで検索しよう…と思ったまま忘れていて、帰宅の途についた私。
いつものようにスマホでポッドキャストの「ゆる言語学ラジオ」を再生し、堺雅人さんの顔真似をしながら運転していたら、

ミラクルが起こったんですよ…!

パーソナリティの水野さんが、
「慶雲閣という歴史の古い旅館を予約した翌々日にこの宿のご主人の記事を新聞で読んだし、ちょうどそのとき読んでいた本にもこの宿が出てきた。
今までももしかしたら目にしていたかもしれないが、予約したからこそ目についたのかもしれない。こういう現象の名前は『カラーバス効果』だったかな?」
というような内容の話をしてるではないですか!
そうよ水野さん、私その用語、ちょうど調べようと思ってたんです!
すごい偶然だ!

と思った直後、相方の堀元さんが
「『カラーバス効果』は、あるビジネス書の著者が適当に作ってバズってしまった言葉で、心理学用語でもなんでもない。正しくは『頻度錯誤』だ」
というようなカウンターを放ちました。
おお堀元さん、ナイスです!私が知りたかった現象の正しい名前、教えてくれたんですね!

調べようと思っていた用語をその日の帰り道で知ることになるというまさかのミラクル。
これも「これってアレじゃん」現象ではないですか。
これはさすがに、『頻度錯誤』ではなく『ミラクル』と呼んでいいのではないでしょうか。

この出来事にちょっと興奮してしまい、この用語をメモしたいけど運転中だからできない!忘れないようにしなきゃー!と、天童よしみさんの顔真似も忘れ「頻度錯誤…カラーバス効果…」とつぶやきながら帰途を急いだ私でした。

6.まとめると


結局、この「関連する話を偶然1日に2回聞く」みたいなことは神が起こす奇跡なのか、人の勘違いなのかは分かりません。
でも、毎日をぼーっと生きていてこの現象に気付かないよりは、
「あ!頻度錯誤またはミラクル起きてる!」と思って一瞬興奮する方が、人生楽しい気がします。
そしてそれは、自分にある程度の基礎知識の蓄積がないとダメだし、インプットもたくさんしていかないと気付かない。
たくさん本読もう、勉強しよう♪と思えた一件でした。


「ゆる言語学ラジオ」のYouTube版はこちら。
上の話に関連するのは5分24秒からの数秒です。

堺雅人さんと天童よしみさんの顔マネの話はこちらから。


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