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2022.2.21 ついにウクライナ侵攻か?プーチンの腹の底

昨日も書きましたが、ロシアで驚愕の事件が起こりました。

『全ロシア将校協会』が、
「ウクライナ侵攻を止めること」と「プーチン辞任」
を要求する公開書簡を発表しました。

協会のイヴァショフ会長(退役時は上級大将)は、“ウクライナ侵攻がダメな理由”を4つ挙げています。

第1に、国家としてのロシアの存在を危ういものにする。

第2に、ロシア人とウクライナ人を永遠の敵にしてしまう。

第3に、ロシアとウクライナの若くて健康な男性が数万人亡くなる。

第4に、結局NATO軍も参戦し、ロシア軍は負ける。

戦争の結末を、イヴァショフは以下のように予測します。

< ロシアは間違いなく平和と国際安全保障を脅かす国のカテゴリーに分類され、最も厳しい制裁の対象となり、国際社会で孤立し、おそらく独立国家の地位を奪われるだろう>

なぜプーチンは、ロシアにとっても破滅的な戦争を行おうとしているのでしょうか?

イヴァショフは、プーチンも悲惨な結果になることを知っているとみています。

・ロシアは現在、深刻なシステム危機に陥っている。

・ロシアの指導者たちは、国をシステム危機から救うことができないことを理解している。

・システム危機が続くことで、いずれ民衆が蜂起し、政権交代が起こる可能性が出てくる。

こういった問題がロシアにはあるのですが、もしウクライナに侵攻すればどうなるでしょうか?

イヴァショフは次のように発表しています。

「戦争は、しばらくの期間、反国家的権力と国民から盗んだ富を守るための手段だ」

要するに、戦争によって自分の権力と富を維持することができる。

「それが(起こるとすれば)、ウクライナ侵攻の真因だ」
というのです。

変わるプーチンの動機

私もソ連邦崩壊を境にゴルバチョフ時代、エリツィン時代、1期目プーチン時代、メドベージェフ時代、2期目プーチン時代の動向を見てきました。

プーチンの1期目と2期目の2000〜2008年、この頃のロシアは大いに発展していました。

彼は独裁者でしたが、国民から愛され尊敬されていました。

この当時、確かに彼は『ロシアの国益』のために戦っているように見えたのです。

日本には、
「プーチンはグローバリストと戦う英雄だ」
という人たちが少なからず存在していました。

そういったポジティブなイメージは、2000〜2008年までに創られたのです。

2008年~2012年までは、プーチンは首相、大統領はメドベージェフでした。

そして、2012年に、プーチンは再び大統領に返り咲きます。

しかし、この時すでにプーチンの動機が変わった感じがします。

2000〜2008年までは、『ロシアの国益』が第一でした。

ところが、2012年以降は、『自分の権力を維持すること』が最優先事項になりました。

皆さんは、これをおかしなことと思うでしょうか?

しかし、こういったことは、よくあることです。

例えば、カザフスタンのナザルバエフ前大統領も、前半は奇跡的経済成長を成し遂げ、とても評判が良かったのです。

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しかし、その後、3人の娘と娘の夫たちに、カザフスタンの政治経済基盤を独占させ、『自分と家族が富と権力を握り続けること』が最優先課題になったのです。

結果、今年初めに起こった反政府デモで、ナザルバエフファミリーは失脚しました。

私は、何が言いたいのかというと、
「動機を見ましょう」
ということです。

まず、他人の動機です。

例えば、
あなたのボスの動機は?
あの政治家の動機は?

他人の動機は個々いろいろとあります。
しかし、一番重要なのは、『自分自身の動機』です。

主要な動機が、『自分自身の富と権力を増大すること』であれば、いずれ行き詰ることでしょう。

主要な動機が、上述したものより大きなもののため、例えば、『家族のため』『会社のため』『日本のため』『世界のため』なのであれば、皆さんであってもブレることなく成長し続けるでしょう。

話を戻しますが、動機が変わったプーチンは、ロシアを世界的に孤立させ、国民を出口が見えない暗黒のトンネルに連れて行ってしまいました。

今、ウクライナ東部ドンバス地方では、ウクライナ軍と親ロシア派(ルガンスク、ドネツク)軍の小競り合いが始まっています。

ロシアは、
「ウクライナ軍がルガンスク、ドネツクのロシア人を虐殺している」
などと言い、ウクライナ侵攻の口実にしたいのでしょう。

プーチンが、『全ロシア将校協会』の賢明なアドバイスを聞き、侵攻を思い留まることを願うばかりです。

最後までお読み頂きまして、有り難うございました。

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