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2022.7.24 男系継承を維持する「血のスペア」

各種の世論調査で、
「女系天皇の意味を知っていますか」
との問いに対して、
「知らない」
が過半数を越えています。

半数以上が女系の意味がよく解らないまま、女系天皇に賛成と答えているのです。

女系の意味が解らない人々にとって、恐らく旧宮家の皇籍復帰というような話は全く“意味不明”でしょう。

そして、“意味不明”なことには、反対しようとなるのが当然の心理です。

先ずは、意味をよく解ってもらうための努力がなされるべきです。

最近、『国賊』という言葉がネット上で飛び交っています。

女系継承に賛成するような輩は国体の破壊者であり、『国賊』であると批判されています。

賛成の人々、つまり国民の7割は皆『国賊』なのでしょうか。

こういう男系派の一方的な決め付けが、男系論の立場を危うくしていることが少なからずあります。

真の保守というのは穏健で、異なる立場の者に対してこそ寛容でなければなりません。

相手に罵詈雑言を浴びせて、一方的な主張をするだけで世論が変わるならば、これ程、楽なことはないでしょう。

男系派も女系派も互いの意見の隔たりはあっても、真摯な議論を続けていくことが望まれます。

過去の記事でも触れましたが、今年1月のNHKの世論調査を見て驚きました。

皇位継承問題について、
「旧皇族の男系男子を養子に迎える」
という案について聞いたところ、「賛成」41%が、「反対」37%を上回りました。

この調査が示すように、同じ日本人なのですから、丁寧に説明すれば必ず解ってもらえると私は信じます。

側室制のない現在の皇室において、男系継承を安定的に維持するためには、戦後、GHQ(連合国軍総司令部)が廃絶させた11の宮家の皇籍復帰と共に、男系の皇位継承権者を拡げるという措置以外にありません。

復活する宮家が少なくとも2,3家でもあれば充分かと思われます。

しかし、まだまだ旧宮家の皇籍復帰については否定的な世論がある現状ですが、私たち国民が先ず考えなければならないのは、将来、悠仁親王殿下が御結婚なさる妃に掛かるであろうプレッシャーです。

妃が皇位継承者を出産せねば、皇統が途絶えてしまうという凄まじいプレッシャーです。

それを軽減するために、女性天皇や女系天皇まで幅広く認めるべきとする議論がありますが、これは部分的に正しくもあり、間違ってもいます。

実は、プレッシャーを軽減するために最も効果的なのは、旧宮家という分家の皇位継承を可能にする制度です。

皇后に御子が授からなければ、宮家の御子から皇位継承者を出します。

皇后一人ではなく、宮家も含めて複数の妃で役割分担していくことができれば、プレッシャーは大いに緩和されます。

宮家は古来、男系継承を維持するために存在する皇室の藩屏はんぺいでもあるのです。

直系子孫重視の女系容認の論理においては、宮家は存在し得ません。

傍系も含めて、幅広く男系の皇位継承者を確保しようという目的のためにこそ、宮家は存在し必要とされます。

仮に、女系継承を容認したとしても、宮家の皇位継承者の出産分担がなければ、皇后のプレッシャーは根本的に軽減されません。

産まれた子が女子でも良いという部分では軽減になりますが、男女問わず御子を産まねばならないというプレッシャーそのものは続くことに変わりはないのです。

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