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2021.9.3 日本人に必要な第三の史観

一般的に日本には二つの史観があります。

①自虐史観
②脱自虐史観

自虐史観は20年ぐらい前までは一般的でした。

「日本は悪い国」
「日本人は悪い民族」
という史観。

ですが、
「そんなことないよね」
という声が強くなり、影響力が弱まってきました。

それでも、いまだに朝日新聞のようにブレないメディアもありますが…(笑)

「日本は悪い国じゃないよね」
「日本人は悪い民族じゃないよね」
という脱自虐史観は、ここ20年ぐらいで徐々に広がりパワーを増しています。

皆さんは、
自虐史観ですか?
脱自虐史観ですか?

今回は、もう一つの史観をご紹介したいと思います。

自虐史観と脱自虐史観は『善悪論』ですね。

要するに、
「日本は悪いのか、良いのか」
という史観です。

今回紹介するのは、「良い」とか「悪い」とかを超越した史観『リアリズムの史観』です。

たとえば、リアリズムの神様と言われるシカゴ大学のミアシャイマー教授は、第二次大戦について、

<アメリカが恐れていたのは、日本が東側からソ連を攻撃し、ドイツ国防軍がソ連赤軍を打ち破るのに協力することだった。
(中略)
この可能性を排除するため、アメリカは日本に対し1941年後半から経済や外交の面で凄まじい圧力をかけ始めた。
ここでの狙いは、単に日本のソ連攻撃を阻止するだけでなく、中国、インドシナ、満洲、そしていかなる日本のアジア支配の野望をも断念させることにあった。
アメリカは日本に強力な圧力をかけ、二等国家にしてしまおうとしたのである。>
と自著の『大国政治の悲劇』で語っています。

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なぜ、日米戦争は起こったのか?

自虐史観では、
「悪い日本が真珠湾を奇襲したからだ」
となっています。

脱自虐史観では、
「ルーズベルトが日本に奇襲するよう誘導したのだ。」

フーバー元大統領は、
『ルーズベルトは、狂人だ!』
と断言しています。

マッカーサーも
「『あれは、自衛戦争だ』と宣言している」
とあります。

リアリズムのミアシャイマー教授は、
「ドイツが1941年6月にソ連に攻め込んだのが原因だ」
としています。

どういうことかというと、当時ドイツの同盟国だった日本が、東側からソ連を攻めていたらどうなっていたでしょうか?

ソ連は東側で日本軍と、西側でドイツ軍と戦うことになります。

そうなると、戦力が分散されて負ける可能性が高まります。

ソ連が負けたらどうなるでしょうか?

日本は中国、満洲、朝鮮半島、ロシアの東半分を征服する。

ドイツは、イギリス以外の全欧州とソ連の西半分を征服する。

アジアには巨大な地域覇権国の日本、欧州には巨大な地域覇権国のドイツができます。

そして、日本とドイツは共に反米です。

こういう恐怖のシナリオが現実化し始めたので、戦いを決意したというのです。

このシナリオで、ミアシャイマー教授は、
「日本は悪い存在だ」
と考えてはおらず、別の場所で“日本の行動の動機”について書いています。

<その行動の原動力になっていたのは安全保障への関心である。>

そして、日米戦争についても、
「悪い日本が始めた」
とは考えていません。

<日本の政治家たちは、おそらく第二次世界大戦で負けるということを知っており、アメリカがそれ以外の合理的な選択肢を残さなかったために戦争を始めざるを得なかったのである。>

とこう語っていますが、皆さんどうでしょうか?

自虐史観とも脱自虐史観とも全然違う史観ですね。

ちなみに私も、リアリズム史観が一番好きです。

自虐史観は、なんでもかんでも日本が悪いことにしてしまいます。

脱自虐史観は、なんでもかんでも日本が良かったことにしてしまいます。

リアリズム史観は、そもそも良いとか悪いとか言わず、事実だけを淡々と語ります。

だから、自国に対しても他国に対しても“怒りと無縁”でいられるのです。

もちろん、私も人間なので、韓国が慰安婦問題を蒸し返してきたり、徴用工問題で過去の合意を破ると腹が立ちます。

しかし、日本の現状を分析したり進むべき未来を考えるとき、怒りとか悲しみといった感情は邪魔になります。

そんな時は、心を沈めてリアリスト的な見方をしようと努力しています。

皆さんも、「平静さ」「大局観」「戦略観」を与えてくれるリアリズム史観を身に付けて頂くことで、今までと違った世界観を味わうことができると思います。

最期までお読み頂きまして、有り難うございました。

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