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#6 ヨーロッパ研修記 〜Wild Festival Groningen ワイルドムーブメントの最先端へ〜

”Wild” を求め、オランダ北部の街フローニンゲンへ

 アムステルダムから約2時間半、オランダ北部の街、フローニンゲンでWild Festival Groningenは開催される。イベントの名の通り、"Wild" をテーマにビール、ワイン、シードルの作り手がヨーロッパはもちろんのこと、世界中から集うイベントだ。
 今回のヨーロッパ研修の前半の最大の目的でもあるこのイベント。 理由は、"Wild" が作り手、飲み手ともにどういったトレンドや文脈で広がっているのかを自分の目で確かめたく、はるばるフローニンゲンを訪れた。

街の郊外に、国内外からさまざまな作り手が集まる

!!!

 イベント自体は金曜の夕方に始まり、土曜の昼と夜と2日間、合計3つのセッションで開催された。フローニンゲンについた金曜は、強い雨と風が吹くかなりの荒れ模様。さらに街の中心部からも離れた会場だったが、入ってみると既に多くの人で溢れかえる。
 スタッフやつくり手と話す中で聞いてみたところ、どうやら2日間で500人ほどがこのイベントに集まるそうだ。ちなみに2日間全てのセッションに参加したが最後まで日本人に会うことはなかった。

シーンを牽引する作り手から次代のニューウェーブまで

 どんな作り手が参加しているかというと、Antidootのような今のワイルドシーンを牽引するつくり手はもちろんのこと、Bofkont、NEVEL、Tommie Sjef、Insight Cellarsなども参加。(ちなみに一部は、つくり手は参加せずバーカウンターにずらっとボトルが並び、スタッフによりサーブされる)。なおAntidootは会場内でも一際人気で、ある種特別なリスペクトを受けているように見受けられた。また比較的新しいつくり手であるBofkontもあるセッションではボトルが全て売り切れるほど盛況だった。

Hill Farmstead
Bofkont
VANDENBROEK
Duron
Brewery Gevel
Insight Cellars
MOOYLAND

ベルギー・ブルージュのワイナリーDRAPの衝撃

Drap

 自分自身はワインについては全くの素人だが、非常に面白かったのがDRAPというベルギーのワイナリー・ブレンダリー。特別にパワフルな女性がつくるワインが非常に美味しく、話を聞いてみると、赤ワインとサイダーをブレンドしたり、同じ葡萄で熟成させたヴィンテージ違いのワインをブレンドしており、ブレンディングに対して実験的なアプローチに挑戦しているようだ。 
 そのアプローチが面白くって、色々と話していたところ、ワインを始める前はなんと3 Fonteinenでブレンダーをしていたとのこと。

勘違いしていた"Wild" の文脈や背景

ワインとシードルをブレンディングしたPellicleのGoin up the country

 ランビックのブレンダーが、ワインの世界に越境して、ランビックのアプローチでワインを作る。

 この現実を目の当たりにし、もはやビールやワイン、シードルという縦割りのカテゴリで、"Wild"の背景やムーブメントを理解しようとすることの、限界を強く感じたし、もはや意味を為さないような気がした。
 Wild Festival Groningenでは、お酒のカテゴリも、つくり手も、すべてがクロスオーバーしており、そのリアルを目の当たりにすることができた。それは、日本におけるワイルドブームとは全く異なる現実を知り、あまりにも強烈な刺激を受けた2日間だった。

 しかし、それは酒屋という伝え手として、この文脈や背景を正しく理解し、飲み手の方々に伝えるには、相当なハードルがあるということ。(ビールだけではなく、ワインやシードルを理解しなければ伝えられない。)
 今の自分にとって大きな課題(宿題)も併せて持ち帰ったWild Festival Groningenだったが、自分の目と身体で、このムーブメントを感じることが出来て、本当に良かった。

(会場の様子をInstagramでアップしています。あちこち移動しながらの動画のため見づらい部分がありますが、ご興味のある方は見てみてください。)

salo Owner & Director
青山 弘幸
instagram :https://www.instagram.com/salo_kamakura
facebook : https://www.facebook.com/aoyamahiroyuki

引き続きお酒に関わる出会いやご縁を探しています。また応援のメッセージもとても嬉しいです。もしご興味を持っていただけたらお気軽にご連絡いただけますと幸いです。

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