酒屋・ボトルショップ salo

𝘚𝘦𝘭𝘦𝘤𝘵𝘦𝘥 𝘈𝘭𝘵𝘦𝘳𝘯𝘢𝘵𝘪𝘷𝘦 𝘓𝘪𝘲𝘶𝘰𝘳 𝘖𝘯𝘭𝘺. “𝘈𝘭𝘵𝘦𝘳𝘯𝘢𝘵…

酒屋・ボトルショップ salo

𝘚𝘦𝘭𝘦𝘤𝘵𝘦𝘥 𝘈𝘭𝘵𝘦𝘳𝘯𝘢𝘵𝘪𝘷𝘦 𝘓𝘪𝘲𝘶𝘰𝘳 𝘖𝘯𝘭𝘺. “𝘈𝘭𝘵𝘦𝘳𝘯𝘢𝘵𝘪𝘷𝘦”をコンセプトに、世界中、日本中のマイクロブルワリーや蒸留所のお酒と、その物語を伝えます。2024年、鎌倉にてオープン予定。

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#1 会社を辞めて、酒屋をはじめます。

ごあいさつと酒屋のコンセプト  はじめまして、青山 弘幸と申します。 長らくマーケティングやIT、スタートアップの世界で生きてきましたが、この度、退職をし、お酒の世界に飛び込みます。  なぜ酒なのか?また、酒屋なのか?ここに至るまでのプロセスも、いつかお伝えしたいと思いますが、今回は自分が実現したい世界観について書いてみます。  酒屋の名前は、salo(サロ)といいます。 saloのコンセプトは、selected alternative liquor only.  

    • #28 THE HERBALIST YASOは越後薬草のカルチャーの象徴

       ここ数年、国内のクラフトジンやスピリッツをバーや酒屋、ボトルショップで見る機会も多くなった。実際、都内に限っても数カ所の蒸留所があるし、最近では蒸留設備を持つ焼酎蔵がこれらを蒸留するケースも少なくない。  自分自身も勉強を兼ねて様々なジンやスピリッツを飲む機会が多いが、その中でも越後薬草のTHE HERBALIST YASOの味わいは、他のお酒と大きく異なる。ボタニカルの豊かな香りはもちろんのこと、THE HERBALIST YASO特有の何とも言えない「甘酸っぱさ」。こ

      • #27 カーブドッチが表現するワイン×ビールのクロスオーバー

         お酒のカテゴリの垣根を超えて、ワインとビールのそれぞれのニュアンスをこんなにも上手に表現するつくり手に出会えるなんて。  もちろん、それが世界的に見ても新しい潮流であるゆえに、まさか日本で出会えるなんて到底思ってもみなかった。しかし昨年、新潟ワインのシーンを牽引し続けるカーブドッチが、まるでワインを思わせるようなビールを発表したことを知り、いつもお世話になっている鯖寅酒販で購入していたから、その存在と味わいはヨーロッパに行く前から気になっていた。  しかも何の偶然か、ヨ

        • #26 「天盃」は情熱と論理のダイナミズム

           昨年、旅行と壱岐焼酎の勉強を兼ねて訪れた壱岐の帰りに立ち寄った福岡で、偶然出会い、驚いた焼酎がある。「天盃」という名の蔵がつくる焼酎で、僕はこの時に、初めてその名前を知った。  今回、福岡・糸島で用事があり、天盃へもぜひ立ち寄りたいという思いで調べていると、天盃・五代目の多田匠さんと自分に共通する方々が多く、日頃お世話になっている方に無理を言ってつないでいただいた。驚いたことに僕が新卒で入社した会社の後輩にあたることがわかった。  そんなこともあり、多田さんからすると断る

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        #1 会社を辞めて、酒屋をはじめます。

          #25 「木桶」を求めて小豆島へ、そこは発酵の神が宿る場所

           先週末、日本の発酵文化の伝統でもある「木桶」を学ぶために、香川県・小豆島を訪れた。  というのも、桶と樽の違いはあれど、昨年、ヨーロッパでナチュラルワインやランビックのつくり手に出会い、とても強い興味を持ったのが発酵や熟成で使われる木樽だった。  樽の年月によって味わいも風味も色合いも変化する。例えばランビックであれば、その木樽を求めてイタリアやフランスのワイン樽はもちろんのこと、場合によっては遠く離れたアメリカやイギリスからウイスキー樽を探して手に入れる。つくり手にと

          #25 「木桶」を求めて小豆島へ、そこは発酵の神が宿る場所

          #24 ソングバードはやさしく唄う(千葉県・木更津)

           ソングバードのビールが大好きだ。  初めて飲んだのはもう何年も昔のこと。BLONDE(ブロンド)とMODERNE(モデルネ)を飲んで、日本でもこんなにも本格的なベルジャンスタイルのビールをつくるブルワリーがあるのかと驚いた記憶がある。それからしばらく時間は経ったが、それでもいつ飲んでも毎回新しい発見や驚きがある。ベルジャンスタイルを基本にしつつ、毎回アップデートされて美味しくなっている。  そんなソングバードが大好きで、2019年、2023年にもブルワリーにおじゃました

          #24 ソングバードはやさしく唄う(千葉県・木更津)

          #23 ヨーロッパ研修記 〜最終回 学びの本質は何だったのか?〜

           帰国をして早1ヶ月が過ぎた。  もうすっかりヨーロッパモードは抜け、それは、なんだか遠い昔のような気もする。街の空気は凛と澄んで、新しい一年を迎える準備をしている。  ヨーロッパにいる間、そして帰国後も研修の学びの整理をしていたが、結局このnoteも21つの研修記として書いていたようだ。各つくり手を訪ねた記録としても書いてきたし、「ワイルド」をテーマにした思考の変遷も数回にわたり、整理をしてきた。だから、本来であれば、わざわざ最終回なんて大袈裟なタイトルをつけて、改めて

          #23 ヨーロッパ研修記 〜最終回 学びの本質は何だったのか?〜

          #22 ヨーロッパ研修記 〜現地での暮らしとトラブル、そしてお金の話〜

           帰国してからというものの、お世話になった方々や今後ヨーロッパへの勉強や研修を検討している方から、「どうやって生活していたのか?」と聞かれることもあり、せっかくであれば今後、行かれる方の役にも立てればと思い、書いてみることにします。 どうやってアポを取っていのか? どうやって移動していたのか? どうやって生活(滞在や食事)していたのか? いくら掛かったのか?  おおむね聞かれることはこの辺りで、正直に言えば「こうしておけば良かった」といった反省もあるので、誰かの参

          #22 ヨーロッパ研修記 〜現地での暮らしとトラブル、そしてお金の話〜

          #21 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインとワイルドエールの交差点(結論編)〜

          まえがき  ナチュラルワインとワイルドエールについて、自分の日記やメモをベースにしているという言い訳のもと、ひたすら駄文を連ねてしまった。 オランダ・ベルギー滞在時の記録(2023年10月17日-11月2日 滞在) ドイツ・フランス滞在時の記録(2023年11月3日-11月7日 滞在) イタリア滞在時の記録(2023年11月8日-11月23日 滞在)  あくまでも僕自身の思考の変遷という範囲で、これを放っておくことも考えたが、ありがたいことに帰国後もそのシーンや意

          #21 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインとワイルドエールの交差点(結論編)〜

          #20 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインとワイルドエールの交差点(後編:イタリアの記録)〜

          前書き  ビールなのか、ワインなのか、はたまたシードルなのか、分からなくなる時がある。  そんなことを言ったら馬鹿にされそうで、なかなか言えなかった。  ただ、例えばワイルドエールやランビック。ほとんど発泡のないスティル、柔らかい酸味とバレルの香り、タンニンのような複雑な渋みを感じるビールを飲んだ時の、僕の本音だ。  その正体が知りたくて、今回 "Wild" をキーワードに世界中のビール、ワイン、シードルの作り手が集まるWild Festival Groningenをは

          #20 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインとワイルドエールの交差点(後編:イタリアの記録)〜

          #19 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインとワイルドエールの交差点(中編:ドイツ・フランスの記録)〜

          前書き  ビールなのか、ワインなのか、はたまたシードルなのか、分からなくなる時がある。  そんなことを言ったら馬鹿にされそうで、なかなか言えなかった。  ただ、例えばワイルドエールやランビック。ほとんど発泡のないスティル、柔らかい酸味とバレルの香り、タンニンのような複雑な渋みを感じるビールを飲んだ時の、僕の本音だ。  その正体が知りたくて、今回 "Wild" をキーワードに世界中のビール、ワイン、シードルの作り手が集まるWild Festival Groningenをは

          #19 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインとワイルドエールの交差点(中編:ドイツ・フランスの記録)〜

          #18 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインとワイルドエールの交差点(前編:オランダ・ベルギーの記録)〜

          前書き  ビールなのか、ワインなのか、はたまたシードルなのか、分からなくなる時がある。  そんなことを言ったら馬鹿にされそうで、なかなか言えなかった。  ただ、例えばワイルドエールやランビック。ほとんど発泡のないスティル、柔らかい酸味とバレルの香り、タンニンのような複雑な渋みを感じるビールを飲んだ時の、僕の本音だ。  その正体が知りたくて、今回 "Wild" をキーワードに世界中のビール、ワイン、シードルの作り手が集まるWild Festival Groningenをは

          #18 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインとワイルドエールの交差点(前編:オランダ・ベルギーの記録)〜

          #17 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインへの問いとPacinaの答え〜

           ナチュラルワインって何だろう?  もしかすると今回の研修において、最も難易度、そして抽象度の高いテーマなのかもしれない。日本でもすでに一般化された言葉である一方で、掴みどころのない言葉。  その言葉を調べると、おおむね、有機農法と醸造プロセス、そして亜硫酸塩・二酸化硫黄(SO2)の有無に行き着く。だけど、その内容だけを読んでも正直いうとピンと来なかった。なぜなら "実際に" 何をやっているのかが、全くわからない。  だから、研修の最後は、今まで自分が通って来なかったワ

          #17 ヨーロッパ研修記 〜ナチュラルワインへの問いとPacinaの答え〜

          #16 ヨーロッパ研修記 〜ワインと美食の都・ピオモンテでの邂逅〜

           ヨーロッパに到着し、早くも1ヶ月弱が過ぎた。  アムステルダムから始まり、フローニンゲン。その後はベルギーに長らく滞在し、ランビック、セゾンを中心としたビールや新しいつくり手を訪れた。またふと、ヘレスを飲みにミュンヘンへ。あるいは旧友に会うべく、アルザスはストラスブールへ。こうなれば気の向くままに。  そして、今はイタリア・トリノにいる。  理由は数日滞在していたミラノのワインバーVino al vinoで出会ったネッビオーロに感動し、その作り手であるStefano

          #16 ヨーロッパ研修記 〜ワインと美食の都・ピオモンテでの邂逅〜

          #15 ヨーロッパ研修記 〜ヘレスを求めてミュンヘンへ〜

           ミュンヘンを訪れる予定は全くなかった。  ヨーロッパに来て約2週間少々。アムステルダムに始まり、フローニンゲンのWild Festival Groningen、そしてベルギーはブリュッセル、ゲントと、ビールからワイン、シードルとさまざまなお酒とつくり手を訪れ、非常に充実した研修を過ごせている実感があったものの、正直に言えば身体が、ランビックやワイルド特有の酸にやられていたこと。  そして何よりも、モルトの風味や甘みを感じられるピュアなヘレスを、なんの躊躇もなく、ゴクゴクと

          #15 ヨーロッパ研修記 〜ヘレスを求めてミュンヘンへ〜

          #14 ヨーロッパ研修記 〜ランビックを巡る旅(Boerenerf Eylenbosch編)〜

           おそらくこのブルワリーの名を聞いたことがある人は、そう多くないはず。Boerenerf Eylenbosch(ボエネルフ・エイレンボッシュ)、ランビック、シードル、ワイン、それらのいずれをもつくる新しいつくり手だ。  ブルワリーまでは、最寄り駅のBuizingenという駅から20分強歩く。閑静な住宅街といった趣の町だが、しばらく歩くと途端に町の風景が変わり、あたりは一面大きな農場が広がる。Boerenerf Eylenboschはそんな農場の中にぽつんと佇む。  入って

          #14 ヨーロッパ研修記 〜ランビックを巡る旅(Boerenerf Eylenbosch編)〜