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謎多きGlass Beamsのグレートサイケデリア

 なんだ、このクセになる感じ。エキゾチックで、サイケデリックで脳内がゆっくりと溶けていくような感覚を覚えさせる。これはもう聴くドラッグなんじゃないか??(となると、やっぱりこれはサイケ?)。

 そんな音楽を奏でますのは、Glass Beamsなる3ピースバンド。ルックスも見ての通り、謎の多い感じ。マスクというか、顔を隠しているこの姿。より興味を惹かれますよね?

 2021年にEP『Mirage』を出しているが、今回の「Mahal」はそれ以来のもの。この作品はEPとしてNINJA TUNEから3月22日から配信が開始されるみたいですが(アナログ盤は5月発売予定らしい)、BEATINKのサイトに書いてあるプロフィールを見ても “なんだかすごいぞ” と思わずにはいられない、出来過ぎなくらいにバンドのイメージにフィットしているプロフィール(情報量は多いけど)。これを読んだら、そりゃこういう音楽になっていくよねという感じ。つまりはそのバンドが生まれる、メンバーのいる環境がその音楽性を生み出す素地をしっかりと形成していたということで。なるべくしてなったサウンドって感じなわけです。

 で、今回のこの楽曲「Mahal」についても、上記で触れたプロフィールに掲載されているのだけれど、どうやらライヴで20分にも及ぶ演奏で披露されているらしく、となると、今聴くことが出来る音源はその断片に過ぎないのか?なんて思ったりするわけです。音数は極めて少なく、フラットワウンド弦だろうミュート気味のベースと余計なことをしないシンプルなドラムが重なり合いリズムを刻むと、そこに呪術的に絡んでくるギター、そしてコーラス。3分半ほどの長さでこれだけトランシーなのだから、20分間に及ぶ「Mahal」は絶対に気持ち良いはず。体感したい!

 そんなGlass Beamsのライヴ映像はYouTubeなどで観ることができるけれど、それもアーティスト写真と同様の姿。つまりはライヴでもその顔を隠した状態でやっているわけです。ますます、気になります。

 熱を帯びていても平熱を超えないようなクールなサウンド。ミステリアスでありながらもなぜか手が届きそうな感じもしなくもない。そんな感じもしちゃうGlass Beams。

 最新型のワールド・ミュージック。現在進行形のサイケデリック・ミュージック。新世代のスピリチュアル・ジャズ。ニューウェイヴ・オブ・ファンク。ミニマルな無国籍ダンスミュージック。と、何とでも言えちゃいそうなGlass Beams。つまりはすべての音楽ファン全方位に向けて拡散したくなるチェックすべきバンドではないかと思うのでした。

 ぜひとも、来日公演を行なってもらいたい!と願う今日この頃です。


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