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手や指の中に、目がある人

ときどき面白い人に出会ってしまうのだ。

そういう方は大体、現代社会の中でその物凄い能力を持ちながらもひっそりと暮らしている。何とか社会の仕組みと折り合いをつけつつ、時にコントのように暮らしながら、その能力で人を助けてくれてもいる。愛おしい。

草場の陰から少しでも顔(本質)をだしてくれて、出会えると「あ~いたいた♡」とホッとする。とても嬉しい。

くだんの面白い人は、敏腕助産師さん。それでいて休みの日になると一人、山やら海に分け入っては本気釣りをして毎回大物をしょって帰ってきたり、大きな岩に寝そべって過ごすような方。

もう、それ聞いただけで以前からおもろいな~親近感わくなぁと思っていたのだが、ひょんな会話から「手の中の目」の話に行きついた。



私の場合普段、施術しているとき。手の中の目が、相手のからだを見ているというか、感じているなという感覚がある。ふっ、とそこに手が止まるのだ。

例えば、背中は大抵の人が何かしらの不調や不具合があるのだけど、それが筋肉によるものなのかはたまた内臓から来ている感じなのか。それとも、巣くっている闇的何かからも影響なのか。
そういうのが、「んん??」と見分けがつくことがある。理屈ではない感覚で。

それは単に、長年の経験の蓄積によるカンだったり、積み重ねで習得されたデーター的なものなのかもしれないけど。

それでも、「手の中の目」という線をひそかに採用している。その方が面白いから。

というのはセラピストになる前、何かの雑誌の懸賞で、占星術で有名な鏡リュウジさん監修のペンダントチャームが当たった。星座に関するものや聖なるシンボルなど100種類くらい色んな絵柄がある中で、届いたのは三角形の中に手のひらがかかれ、その中に目が書いてある柄。

「こわ~、へんなの。」と思ったけど、普通に買ったらめちゃ高いペンダントだったからありがたく頂戴した。


ペンダントの事もすっかり忘れて、セラピストになった後。
見える系の人に一度「あなた、手の中に目があるからそれをつかうのね~」といわれ「?!!そーいやそんなチャーム当たったことあったな。」

というわけで、そういう事もあるのかもね~という線で現在にいたる。そう思ってる方がいろいろ面白いし。


話を戻すと、その敏腕助産師さんの場合はなんと「指先に手」バージョンの人だった。私のお遊び感覚の手の中の目とは比べものにならない精度で。

「なんかねぇ、子宮の中に指先をいれるとき、そんなに解像度は高くないんだけど映像でどんな感じがみえるんだよね~。ここは通れる、とかまだ全開じゃないなとか。」ほえぇぇ~。

「それで、皆もそう見えてると思ってたんだけど。うん十年この仕事してきて、ついこないだ同僚とお産介助してるときに、相手に「えっっ??指先で見えてるの?!」ってびっくりされてね~。私は逆に、指の感覚で分かるみんなの方がすごいと思ったよ。」とサラッとのたまう。


そんなすごい人が、世の中まだまだたくさんいる。(ちなみにこの助産院の院長先生もまた面白すごい方。)そしてひっそりとひけらかすことなく、それでいて尊く各々の能力を駆使して人を助けたり癒したり命の循環をしていている。

あぁ、なんて人生って人って面白いんだって。面白い人と出会うたびに思う。それぞれがそれぞれに、尊いよ。






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