文学フリマ京都を終えて雑感

日曜日は文学フリマ京都8お疲れ様でした。
体感的なところを少し。


書いた人の諸情報:
2023年の文学フリマ大阪を始めて一般で訪問。
文学フリマへの出店は初めて。
公募賞でも結果が出ていない、文芸の辺りではまったくの無名。
二次創作系の同人誌即売会はここ4年ほど、年に1~2回サークル参加(頒布側)。
今回用意したものは、薄めの文庫本(新刊)と無料配布ペーパー、そしてカード・豆色紙サイズの人魚のイラストでした。

今回売れた文庫本の部数は、片手の指で足りる数でした。
無配ペーパーはそれの2倍くらいを、やっと配れました。
それでも半分以上残りました。
文庫本の売れた数のうち、3/4は身内でした。

ざっくりと課題とか愚痴とか

①たまたま隣になった出店者が強すぎた

純文学カテゴリで申し込んで、入口近くのテーブルを充てられていたのですが、同じテーブルのお隣さん(こちらも文学フリマ出店は初とのことでした)が、ものすごく広い意味で「目立つ」ひとでした。
テーブルいっぱいに平積みした本、ご本人は電動車いす。
ご自身の体験を本にしたということでしたが、キャッチ―なタイトル。
(正直、聞こえてくる限りの内容紹介では純文学ではなくて体験記とかエッセイとかの類いじゃないのか……とは思ったのですが)

本は背表紙だけを見せるよりも、平積みで表紙が見える方が興味を引きやすいです。
タイトルも見やすいですし。
そしてただ椅子に座っている普通のひとよりも、車いすなど見た目に特徴のあるひとの方が、どうしても目を引きます。

②隣を覗き込む人が多すぎた

①で申し上げたお隣さんですが、めいっぱい平積みをしている本も含めて、通り過ぎながら覗き込んでいく通行人も非常に多かったです。
私のテーブルから見て右にお隣さん、さらに右の方に出入り口があったので、お隣さん側から私の方へと流れていく人がどうしても多かったのですが、私のブースの前で立ち止まったままお隣さんの本を覗き込む人が続出していました。

文学フリマの基本ルールとして、売り手も買い手も隣のブースにはみ出さない、というものがあるはずですが、売り手はともかく買い手はそれを意識していない人、普通に本屋さんで通りすがりに平積みの本を見ていく感覚の人が多いのかなという印象でした。
前に人が立ち止まっているブースは、まずテーブルの上が見えませんので、売り物を見てもらえません。
そのブースを目当てに来ているとかでない限り、取り敢えず見て回っているだけの人は「後回しにしよう」と通過してしまいます。

実際どれくらい売れ行きに影響したかはともかく、私のブース前で隣のブースを見ている人は、数人という程度ではありませんでした。
正直、めちゃくちゃ邪魔でした。

③声掛けが弱すぎた

通りすがりに見てくださっている人に対しての「良かったら手に取ってご覧ください」「無料配布もあります」という私の声掛けが弱かったです。
これは普段出ている二次創作系の即売会とは違うところです。

二次創作系即売会では、通りかかった相手が知り合いでもない限り、売り手から声を掛けることはとても少ないです。
むしろ押し売り的に感じて、嫌がる人も多い印象です。
私も嫌です。
何か買わないといけないと思わされてしまうので。

しかし、文学フリマでは逆に「興味を持ってもらうために」声掛けが必要でした。
前もってサンプルを調べて来てくれる人もいる中で、そうでない人、たまたま前を通っただけの人も多いですので。
私のようにネームバリューのない書き手は特に、ただの通行人に興味を持ってもらうことがとても重要なようです。

④見た目のキャッチ―さがなさすぎた

興味を持ってもらうのに声掛けも大事なのですが、見た目の派手さも大事なのではないかと思いました。
私は今回、平積みの文庫本、お品書きを立てかけたイーゼル、イラストのカード・豆色紙を並べた飾り棚をテーブルの上に並べました。
オマケではありませんが、人魚のドール(人形)と、ウニのぬいぐるみ的なもの(配置が-2だったので)を添えました。

途中で、イラストを置いている飾り棚に『イラストはすべて万年筆のインクで彩色しています』とPOPを作って付け足しました。
するとそのPOPを見て「万年筆のインクだって」と眺めてくださる人がぽつぽつと出ました。
中には立ち止まった上で「このイラストに使っているのはどこのインクですか?」と尋ねてくださった方もいらっしゃいました。
(この方はご自身もインク好きでいらっしゃるとのことでした)

また、小さな子ども連れの方が人魚のドールを指して「人魚さんがいるよ」と言っていたり、小学生くらいの子どもさんがイラストに興味を示してくださることもありました。
なので、ビジュアルはかなり重要であると感じました。


今後の活動などについて

①今回の結果が今後の作品に与える影響

文章自体に与える影響は特にありません。
誰からもレスポンスがありませんでしたので、変えようがありません。

表紙に絵を使うことについては、少し前向きになりました。
よく出ている同人誌即売会では漫画が多く、小説というだけでそもそもマイナーなので、漫画と間違われないようにあまり絵を使った表紙に作っていません。
もし今後、文学フリマ並びに類似のイベントに出る場合には、表紙に絵を使うこともあるかもしれないなと思いました。

でもエンタメ系やキャラ文芸に偏りたくはないので、そこの塩梅が悩みどころです。

②今後の文学フリマへの参加

正直、もう参加したくありません。
今回の参加した感想としても楽しかったとかのポジティブなものより、楽しくなかった嫌な思いをした、の方が上です。
私の書いたものはほとんど身内しか求めてくれていないので、それならわざわざ見ず知らずの人がほとんどのイベントに出て嫌な思いをするだけ、時間とお金と精神の無駄だと感じました。

ただ、京都開催ではなく大阪開催なら、今後一回くらい出るかもしれません。
雰囲気や客層が違うことは感じています。

あるいは、時期尚早だったのかもしれません。
もっと名前が知られるようになってから即売会イベントに参加したら、私の本を求めて来てくれる人がいるかもしれないので。

③今後の作品発表の場

公募中心にしようとは思っていますので、作品を人目につく場所に出すことは減るかと思います。
たまに短い話を書いたら、noteかXに載せるか……もしれない、くらいです。

「小説家になろう」にも以前からアカウントを取っていますが、そちらに掲載するかは未定です。


愚痴がやや多くなりましたが、今回の文学フリマ京都8についての感想などは以上です。
今後の開催がより良いものになることを願うばかりです。


追記。
どなたか一名、私が離席して友人にブースを任せている間に、新刊をお迎えしてくださった方がいらっしゃったようです。
メガネをかけた男性の方だと友人は言っていました。
今のところ該当する人が知り合いにいないので、もし「私です!」という方がいらっしゃったら(そして嫌でなければ)お声掛けください。
お礼が言いたいだけです。

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