見出し画像

【生活相談員×iPad pro 活用術】シュン

介護業界にICT化の波が押し寄せている。

計画AI、介護ロボ、リモート会議、電子記録・・・挙句の果ては「スマート介護士」という民間の資格まで登場し、注目を集めている。

デイサービスセンターの生活相談員をしている筆者は、その流れに乗ったという訳では無いが少し前にAppleのiPad proを購入し、仕事で活用できないか検証してみることにした。今回はその報告第1弾として、約1ヶ月間使用してみたiPad proの感想を生活相談員という視点でお伝えしようと思う。

【補足】
そもそも生活相談員という職業がよく分からないという方の為に簡単に解説する。生活相談員とは、介護事業所にとっての相談窓口という立場になる。ケアマネージャーと連携をとりながら利用者様の利用日を調整したり、サービス担当者会議などに参加し提案を行なったりする。その他、クレーム処理やサービス計画の作成なども一般的に行う。デイサービスに限らず施設サービスなどにも同様の職種が存在する。

早速結論からであるが、
控え目に言って、【最強】である。

いや、そんな事は読者の皆様なら分かっているかもしれない。iPadをビジネスに活用している人などいくらでもいる訳だ。しかし、この業界が他産業と違うのはまさにそこなのでなのである。

この業界は本当にテクノロジーに疎い。かく云う私もその1人だった。
サービス担当者会議、地域ケア会議、その他にも市の介護支援専門員協会の理事もやっているがそうした会議にノートパソコンやタブレット端末を持ち込んでいる人間を見た事が無い。一枚一枚レジュメを準備し、筆箱からボールペンを引っ張り出す所から始まる。もちろん、私の周りだけかもしれないが。

iPadの性質として、特に相談員の仕事に適していると思った点は以下の3つである。

・携帯性の高さ
・ノート機能
・カメラ機能

【携帯性の高さ】
まず携帯性の高さは言わずもがなであるが、私は11インチのモデルを使用しているのでA4サイズの薄いPCカバンにもすっきりと収納できる。そのほかの資料を追加で収納しても、かさばることはない。加えてカンファレンスで会議室や利用者様宅に持ち込む際も、仰々しくなく極めてスマートな印象を持たせる事ができる。バッテリーの持ちも十分で、朝に100%充電していれば一日中使い回しても電池がなくなる事は無い。

【ノート機能】
ノート機能はApple pencilを使用して行うが、この書き味が抜群に良い。個人的には電源オフの状態からApple pencilで画面をタップするだけで瞬間的にメモアプリが呼び出される機能が最高である。会議の記録はもちろん、ジャストアイディアやto doリストをサッと書いておくのに非常に便利だ。

余談だが、毎月忙しい時期になると本当に沢山の情報や案件が一気に舞い込むようになる。特に月末になると、利用日の変更やサービス担当者会議の日程調整などとにかく覚えておかなければならない事が多く、パソコンのディスプレイの周りにポストイットがライオンのたてがみのように張り巡らされることもある。はっきり言って仕事ができる人のデスクでは無い。

こうしたメモ書きも結局紙に書いては捨てる作業を伴い、無駄が多い。その点では、書いても書いても一向にゴミを出さないこのメモ書きの機能は圧倒的に優れている。
もちろん利用者様への説明でもホワイトボードのようにして説明ができるし、写真や図の中に気軽にペンを走らせる事ができるのもPCと比べて優れている点だろう。私はこの機能を使って、デイサービスの料金の説明などを行ってみたが、資料を配ったり、口頭だけで説明する時よりも伝わっている実感を持つ事ができた。iPadを活用する上で最も強みと言える機能かもしれない。

【カメラ機能】
最後のカメラ機能。これもパソコンとは異なるアドバンテージを発揮してくれる。まず、どこに持っていってもその場で写真が撮れる。プライベートで大きなタブレットを構えて写真を撮る人は少ないかもしれないが、介護の現場では非常に有利になる事がある。まだそこまでの活用はしていないが、例えば利用者様のお宅で薬の処方箋の情報、介護保険証などをスキャンしておけばわざわざお借りしなくても事業所の方でプリントできる。

さらには事業所の様子を動画で撮影しておけば、新規利用者のインテークの場面などでは実際に体験利用などをしなくても、雰囲気を十分に伝える事ができる。利用者様によっては、デイサービスという場所が得体の知れないところという不安を抱いている方もいる。そうした方にとっては映像が与えるイメージのつかみやすさは正に「百聞は一見に如かず」である。もちろん利用者様本人だけでなくご家族にとっても安心材料となるはずだ。今後はデイサービスの活動の記録を編集して簡単な動画にまとめ、資料として見ていただく事も考えている。

いかがだっただろうか。
あくまで1ヶ月間で感じた事なので、今後もさらにメリットやデメリットを感じる事もあると思う。今後も一定期間試行錯誤してから、何かしらの情報提供ができればと考えている。

今回は生活相談員×iPad活用術をお伝えした。

同業種の方、もしくは福祉の現場で相談援助職をされている方には今回の記事を参考に是非とも導入を検討していただきたい。とにかく便利なものを取り入れ、生産性を上げる事で利用者様に関わる時間を最大化していただきたいと思う。

シュン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?