クリスマスアドベント 2022年12月4日 p.2
※Salvador Coffee クリスマスアドベント2022 の特典ストーリーです。
タイトルの日付になると無料公開されます。
「ゲイシャ」という品種は大きな可能性を秘めたコーヒーだ。
コーヒーに詳しくないという人でも、「ゲイシャ」は聞いたことがある!ということが多い。
パナマ・エスメラルダ農園からスターのように発掘されたゲイシャ種のコーヒーは、コーヒーとは思えない、とても信じられない華やかな風味特性から、世界中へ一気に広まっていった。
エル・ポトレロ農園のオリビアさんも、ゲイシャの可能性に魅了された農家の1人である。
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オリビアさんのゲイシャは、ダージリンの茶葉を思わせるアロマなどのゲイシャらしさを持つ一方で、熟した桃やマンゴーのようにトロける甘さや質感が特に最高なコーヒーです。
94℃〜96℃くらいの高めの温度で淹れてみて、ゆっくりと時間をかけて冷ましながら味の変化を楽しむのがいいでしょう。
詳しいドリップの仕方はこちらの動画をぜひご覧ください◎
※2年前に撮影したハンドドリップの動画です。温度や挽き目や道具などは都度変えますが、現在もほぼ一緒のレシピを使っています。
【ストーリー p2】 コーヒーの最高峰が与えた影響
「ゲイシャ」という品種がコーヒー業界に与えた影響は凄まじいです。
今っぽい感じのサードウェーブ風なコーヒーショップに立ち寄ると、「浅煎りのシングルオリジンしか勝たん」みたいな雰囲気がどことなく漂ってたりしますが、これは絶対にパナマゲイシャの影響が大きいと思っています。偏見少し入ってます。笑
コーヒーはフルーツで、酸味を楽しむもの。
苦味なんてオフフレーバーで邪道。酸味こそ至高。
だって国際品評会の「ベストオブパナマ」で世界のバイヤーが大絶賛しているんだから、これがコーヒーの王道になるんだよ。
みたいな、そんな流行りが2010年前後からしばらく続いていたように思います。
でも、実際凄いことですよね。
だって今までは「コーヒーは苦味があって大人の飲み物」で、痩せ我慢みたいにブラックで飲むのがツウだと思われていて。
スタバみたいな店に行けばエスプレッソを使ったラテや、シロップを使ったマキアートとかモカがあって。
それならコーヒー飲めるかも?
くらいの認識だったはず。
コーヒーに苦味がなくてフルーツの味がする??
まさかそんなことがあり得るの??
そのまさかが起こったのがゲイシャです。(これも諸説あるでしょう)
GAME CHANGER (革命)とも言えるトレンドの変化がゲイシャの登場なのです。
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このGAME CHANGERは「飲む人」「作る人」双方を変えました。
われわれ「飲む人」は、コーヒーの概念が変わりました。
選択肢が広がりました。コーヒーが持つフルーティな酸味を楽しむようになり、子どもから大人まで分け隔てなく飲めるものになりました。
桃、マンゴー、ジャスミン、ラベンダー、など従来のコーヒーのスタイルでは考えられないような体験ができるようになりました。
一方で農家さんなどの「作る人」は、生活が変わりました。
コーヒーは「大量生産」「大量消費」で、価格の交渉力もなく、「相場」で一方的に決まるため、味わいなどのクオリティよりも収穫量が一番重視されてきました。
しかしゲイシャのような「味わい」や「希少性」「ストーリー性」など、内部と外部に付加価値が生まれたことで、一方的な相場に縛られることなく、商品力が上がりました。価格が上がりました。収益力が大幅に向上し、コーヒーの生産で生活ができるようになりました。
今まではコーヒーを作るための費用に対してコーヒー相場が安すぎて利益が生まれず、生産者は生活ができませんでした。生活するためにコーヒーを作っているはずが、コーヒーを作るためにコーヒーを作っているような悪循環の状態でした。なので、コーヒー農家をやめてしまって高く売れる麻薬の生産にスイッチしてしまう農家さんも多かったのです。
ゲイシャは色々な意味でコーヒーを取り巻く環境や文化や歴史を変えた存在です。とても尊いなあ。
コーヒーの「酸味」の捉え方が変わりましたね。
この酸味の表現が、すべてに革命を起こしたのです。
冷めるにつれて変わりゆく味を楽しみながら、生産国の人々に想いを馳せてみませんか?
次回12月11日に続きがアップされます。
お楽しみに!
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