Filmarksで⭐︎の数が多い作品を紹介。

今回はバスターのバラードという作品について。

予告はこちらをクリックすれば見れます↓

今作は兄弟で活躍している「ジョエル・コーエン」と「イーサン・コーエン」通称 "コーエン兄弟"と呼ばれている監督だ。

彼らの得意とするコメディー✖︎スリラーという組み合わせが今作にも大いに存在している。

今作は６つの物語で成り立っている。

それを一冊の本として見せ、読み聞かせをしているようにゆっくりとページがめくられていく。ここの雰囲気が名作を物語っている。

一つ一つの章を紹介していく。

バスターのバラード

まず一つ目に訪れる話は "バスターのバラード" 本作のタイトルと同じだ。

ここでの登場人物は荒くれ者のカウボーイ バスター・スラッグス。白い衣装に身をまとい馬のダンに乗って登場する。彼の手には一本のギター。歌いながらの登場だ。彼の陽気でユーモラスな性格がここで明らかになる。そんな彼だが、生死不問の指名手配をされている。

彼の銃の腕はピカイチ。自分に自信があり、誇りを持っている。道中に無法者達が入り組むバーに入る。そこは禁酒区域でウィスキーを注文するもののお断りされる。でも周りの無法者はウィスキーを飲んでいる。身なりが綺麗で無法者として扱ってくれなかった。そこで彼は無法者という証明をする為、彼らを煽り勝負を仕掛ける。見事な銃さばきで全員撃ち殺す。

また道中に酒場に入る。そこは店の方針で銃をカウンターに預けなければいけない。バスターは銃を全て預ける。そしてポーカーをしているテーブルに座る。そこで負けが決まっているカードで勝負しろと言われ、銃を向けられる。バスターは華麗にテーブルの板を使い彼の銃を彼に向けて発砲する。そして陽気な歌を披露する。そのバーでは歓迎され皆が踊り出す。そこへ殺された男の兄弟が店へ入ってき、男の変わり果てた姿を目にし、バスターに正々堂々と勝負を仕掛ける。表へ出て勝負をするもののバスターの銃さばきで一本一本指を落とされる。そしてユニークな決着をつける。鏡をみて彼の頭を撃ち抜くという見事な決着をつける。

そして何やら心地よいハーモニカの音と共に腕自慢の若者が勝負を仕掛けに来る。彼はバスターとは正反対の全身黒の服を身にまとっている。そして勝負は・・・まさかの敗北。カウボーイハットを貫き頭に弾が入り込む。いつまでも一流の名は続かない。王者も時代と共に退廃していく様を描いた。

アルゴドネス付近

若いカウボーイがポツンとある銀行に強盗をしに入る。そこには老いぼれた爺さん一人。そして爺さんに銃を突きつける。だが、その銀行は対策がされており、足元に仕掛けたショットガンをぶっ放す。そのうち爺さんは逃げ、出てくるカウボーイを待ち伏せして銃を放った。ヘタクソと言葉を放ち、自家製防弾フライパンを身に纏いながら。

カウボーイは意識を失い、気付いた時には首にロープをかけられ保安官に捕らえられていた。そこにコマンチ族が保安官を襲いにくる。仲間ではないが保安官は皆殺しにされ彼は一命を取りとめた。荒野の奥に人影が見え、助けを呼ぶが、その人は家畜泥棒で、後々追ってくる保安官に家畜泥棒と勘違いされ捕まってしまう。死刑台にあげられ、それを見に来た客人の中にべっぴんな女性がいた。まだ生きたかったという表現が悲しみではなく喜びで表現している素晴らしいシーン。

食事券

興行師のおじさんと四肢のないハリソンは馬車で旅をしている。おじさんはハリソンを見世物としお金を稼いでいる。ハリソンはオジマンディアスやシェイクスピアの作品を暗唱して読み聞かせをさせた。その商売も長くは続かず、おじさんはある日ニワトリ を使ったショーをみる。そしてそのニワトリを買い取った。やがでハリソンはおじさんにとって必要がなくなり、ハリソンは川へ捨てられる事になった。

金の谷

金鉱を求め山脈を練り歩く老人。成果がなかなかでず、辺りは穴だらけ。そしてようやく金鉱を掘り当てた時、背後から何者かが銃を放つ。老人は背中を打たれ死んだかと思われた。だが、起死回生！弾は貫通し急所は外れていた。近寄ってくる若者にすぐさま反撃をし、若者は死亡した。その後金を詰めて死んだ若者をその穴に埋めた。これがお前の取り分だ。と言い残して。

早とちりの娘

アリス・ロングボウとその兄のギルバートはアリスの結婚相手に会いにオレゴンに向かう。兄の飼っているピアースと共に。兄はコレラに掛かり旅の途中で亡くなってしまう。一気に心細くなったアリスはギルバートの護衛に当たっていたビリーとアーサーと共に旅に出る。そのうちアリスはビリーの優しさに惹かれ恋をする。そしてビリーもアリスの素朴さに恋をする。

マットという男はアリスに馬車を出した報酬を迫るも兄のチョッキの中にお金を入れていたまま埋めてしまって半日も歩いたため引き返す余地もなく途方にくれる。答えがわからないまま彼女らはオレゴンに向かう。ビリーはアリスに求婚をする決意をしアリスに想いをぶつける。アリスはOKを出し、楽しい旅になるはずだった。アーサーと一緒に向かっていたアリスの元にネイティブアメリカンの軍団が銃撃戦をしかけてくる。アーサーはアリスに銃を渡し「俺がやられたら自分で頭を撃つんだ。そうしなければ奴らに強姦され吊され棒で腹を刺され串刺しにされる。そうなりたくなければ決意するんだ」そう言いアーサーは一人で集団に立ち向かう。一旦やられかけるも無事勝負に勝つが、、アリスは死んだと早とちりし、自殺してしまった。アーサーはビリーに会わす顔もなく途方に暮れるのであった。

遺骸

フォートモーガンに向かう馬車に五人の人が乗っている。片側に老婦人、猟師、フランス人の男。もう片側にアイルランド人の男とイギリス人の男の二人組。馬車の中で自分達の人生を語る。一人が語ると誰かが突っかかり、また一人が語ると誰かが否定する。そんな中アイルランド人とイギリス人が話し出す「俺たちは賞金稼ぎだ。馬車の上に死体が乗っている」そう話すと馬車の空気が一気に変わる。そして間も無く五人が泊まるホテルへ到着する。先行でアイルランド人とイタリア人がホテル内に死体を運び入っていく。後戻りも出来ない三人は躊躇しながらも、最悪の結末を迎えるそのホテルへと足を運ぶしかなく、死を覚悟しホテルへと進むのであった。

最後に

今作の短編集の共通のテーマは "死” 短編集でありながら、様々な死を目撃し、死について考えさせられる作品。重いテーマなのにコーエン兄弟の武器でもあるブラックユーモアが効いていて観ていてもしんどさはなく、案外サクッと見れるようになっている。こんな映画他にはないので是非NETFLIXでお楽しみください。