キウイの食べ方
じめじめしたこの季節、キウイが美味しい。
最近ではゴールドなんていう、黄色い果肉のものもあるが、わたしはグリーンが好きだ。
わたしの人生には、小学生の途中くらいからキウイが登場した記憶がある。
そう、登場。
それまでなかったのに、登場したのだ。
そのときはキウイではなくキュウイと言われていて、キュウリと混同しがちで、いちいち、キュウリじゃなくてキュウイね!と言っていた。
そのとき、母が出してくれるキウイは輪切りで、そのことに何の疑問も持っていなかった。ちょっとつかみづらいな、ていうのだけは子どもだったからあったような気がする。
その後、何のきっかけだったか、キウイを皮ごと半分に切ってスプーンですくって、というか、ほじって食べる、ということをした。
高校生から20歳くらいのとき、キウイをほじって食べては満足していた。
その後のわたしの人生でキウイはもっぱら輪切りか皮ごと半分だったが、
長男が幼稚園のとき、お弁当でフルーツケースに輪切りのキウイを入れていたら、
「つかみづらいから、たてに細長く切って」と要望を受けた。
なんでもお友達はそうやってキウイを切って持ってきていて、それがとても食べやすそうだ、ということだった。
その時点で、わたしはキウイと出会ってから何十年も経っている。
だのに、それまで、キウイを縦に切る、ということに出会わずにきたことに衝撃をうけた。
それ以来、お弁当に持たせるときは、縦に細長く切るか、それをさらに半分にして角型のような状態にしている。
人生には、ときどきこういうことがある。
出会いそうで、出会ってないこと。
知っていそうで、知らないこと。
キウイを目にするたび、そんなことを思って自分に酔っている。
でも、なんやかんや、
キウイはスプーンでほじって食べるのが、わたしは好きだ。
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