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冒険!

幼馴染3人が久しぶりに揃った。もう…いいオヤジ三人衆だ。
「俺さぁ、なんだか最近奥さんが冷くてさぁ…」と、しょぼくれるミチオ。
アキオはそれを見てニヤニヤ笑っている。
「別れちまえ、独身は気楽でいいぞ」
ヨシオは黙ってレモンサワーを一口飲む。

「毎日上司の小言を聞いて、後輩に気を使って、帰ったら奥さんはもう寝てるし…つまんない人生だよな」
ミチオが愚痴をこぼす。
「ぱしりだったヨシオは、奥さんと仲が良いよな。やっぱり何でも要求を飲めるってのはすごい才能だよな」
アキオはヨシオを褒める。
「アキオはもう結婚しないの? モテるのにもったいないよ」
ヨシオは羨ましそうにアキオを見る。

アキオは、このメンバーが三者三様で面白いと思った。
離婚して独身貴族の俺、離婚寸前の愚痴しかこぼさないミチオ、夫婦円満のヨシオ。
どの人生が一番幸せかなんて誰も決められない。

「そうだな…良い人がいればの話だけどな…」
ビール片手にアキオは子供の頃を思い出していた。



アキオは、喘息持ちだった。
それを克服しようと母親の勧めもあって、水泳やサッカーをやった。最初は上手くできなかったが続ける努力を人一倍して、ようやく形になった頃、喘息の発作はほとんど出ず身体は大きく育っていた。
そして、身体が大きいことで一目置かれるようになり、何かにつけ注目を浴び人気者になっていった。



アキオが目を輝かせて言った。
「小5の時だったっけ? でっけぇ発泡スチロールの箱を見つけて3人で川下りしたの覚えてる?」
「あぁ〜、覚えてる覚えてる」ヨシオが笑顔で答える。
「アキオがさぁ、『コレ船になるんじゃない?』っていった時は、“スゲー!”って興奮したよ!」
「アキオが最初に乗って俺たち支えてさぁ、すごいドキドキしたよなぁ」
「で、ミチオ、ヨシオの順で3人乗れた時は “うおー” って叫んだよな」
「楽しかったな」
「もうさぁ、この年になるとあの小5の時のワクワク感がないんだよなぁ。現実的なことばっかりでさ、ちっとも面白くねぇの」
またミチオの愚痴が飛び出す。

「なんかさぁ、あの頃俺らスタンドバイミーみたいだっだな…」

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