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アメリカのマスクをめぐる side story

最近アメリカで話題のKaren。
ヒステリックで不適切な言動をする中年の白人女性を指す言葉で、近頃は差別的な言動をしているKarenがSNSを賑わせている。

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サンディエゴのKarenの話

サンディエゴのKarenがマスクを着用していなかったため、スターバックスのバリスタに注文を拒否された。なんとKarenは怒ってその事をFBに、今度は警察を呼んでやる、とポストしたというのだ。そのバリスタの名前と写真を載せて。
このFBの投稿に対して、数えきれない批判のコメントが書き込まれたそうだ。加えて、バリスタにチップを!とクラウドファウンディングが立ち上がってこのバリスタには驚くほどの多額の寄付金が集まった。
これにバリスタは「夢を現実にできた」と言い、ダンサーになるためダンスを教えるために役立てたいと語っている。すごい話だ。

ニューヨークタイムスの記事はこちら。

このKarenのようにマスクを毛嫌いするアメリカ人は少なくない。
マスク不要と明言している州知事もおり、アメリカは混乱しているようだ。
トランプ大統領はここにきて急に頑なに拒否していたマスク着用について、態度を軟化していて、自身の黒いマスク姿をローンレンジャーのようと言った。
ローンレンジャーはマスクというか、アイマスクだよ?とつっこまずにいられなかったのは、私だけじゃないはず。

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そんなトランプ大統領に、「マスク着用義務化の大統領令に署名すべき」「大統領自身がマスクを着けることで国民の模範になるべき。マスクをしろ」と噛みついたのはNY州知事のAndrew Cuomo。

NY州Cuomo知事に届いた1枚のマスクの話

NYの州知事Andrew  Cuomoが新型コロナウィルスの感染爆発により3月から先月まで休まず定例会見を行っていたことは記憶に新しい。

4月の会見の中で、彼はケンタッキーの元農夫から1枚のN95 マスクが手紙と共に届いたことを紹介した。
70代の元農夫は、5枚持っていたマスクのうちの1枚を知事へ送り医師や看護師のために役立てて欲しい、と手紙に書いた。奧さんには肺が一つしかなく糖尿病の持病があるというのに。近親者に4枚あれば十分だと。

会見でこの件をCuomo知事はこう賞賛した。
「なんて美しい。なんて無私で寛大だ。」
「それは愛であり、勇気、寛大な精神であり、この国をすばらしいものにしている。」
Twitterでのコメントにはこう書いている。
「これは最高の人間性だ」

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私は、この知事の話をNYにいる夫から聞いて知った。
そして、すぐに動画を探した。初めに見たのがNBC newsの動画だった。


音楽などの演出もあって、目頭が熱くなった。
NYにいる夫のことが心配だけど、こういう話を聞くと、まだアメリカは大丈夫だと思った。
そして、自分がこの元農夫のような行動ができるだろうか、と考えさせられた。多分出来なかっただろう。でも、そうなれる人間性を身につけたい。
コロナ禍で落ち込む日々の中、このエピソードで心が温まったのは間違いない。

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