見ざる、言わざる、聞かざる #42
「日光東照宮」にある三猿。
有名な見ざる、言わざる、聞かざるの猿である。
この三猿が出来た由来は、どうやら孔子の言葉にあるらしい。
孔子は、「論語」を書いた人物である。
その論語の中で述べられている言葉がある。
「礼節(礼儀と節度)に背くことに注目してはいけない」
「礼節に背くことに耳を傾けてはいけない」
「礼節に背くことを言ってはいけない」
「礼節に背くことを行ってはいけない」
と、四つの戒めを語っている。
この戒めを人々に分かりやすく伝えるために、猿を使って表現したとか。
このように、孔子の四つの戒めは
「見るな、聞くな、言うな、するな」
だが、三猿には「するな」がない。
「するな」はどういうことか。
実際、四猿の彫刻が存在するらしいが、次のような姿であるらしい。
見るな=目を両手でふさぐ猿
聞くな=耳を両手でふさぐ猿
言うな=口を両手でふさぐ猿
するな=股間を両手でふさぐ猿
つまり、「するな」は、股間を両手でふさいでいるので、性的なことに関する戒めと言われているらしい。
だから、性的な表現は良くないと思ったのか、日本は三猿になっているのかもしれない。
この三猿の言葉は、簡潔に人間の真理をついてくる。
だからこそ、論語は今でも人生の教科書として学び続けられているのだろう。
人間の根本は何千年も前から何も変わらない。
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