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暗黒面の解放をはじめたら、バイト終わりに30分で書けた

犯罪者が犯罪に関する文章を書くとなると、次のような批判が待ち受ける。
「盗人猛々しいとはこのこと。被害者に対して申し訳ないという気持ちはないのか!まさに外道だよ。
反社会的行為を行って捕まった分際で、我々税金のに養ってもらうなんてふざけるな!」

そのお言葉、甘んじて拝受させて頂くとともに、盗人らしく、猛々しく言わせて頂くとしよう。
「被害者がどうのこうのって、被害者でもないお前に言われる筋合いはないね。留置所の弁当は流石に飽きたけどタダ飯には違いない。拘置所に至っては、ジャバで日頃食うモノよりも健康的で美味かったよ。ごちそうさまでした。」

今回、僕の事件は、僕がテレビ局の友人から事前にインタビューなんぞ受けてたから、メディアにとっては美味しいネタになり、ワイドショーにも取り上げられて、逮捕時はまあまあ話題になった。

家を出る時は報道陣に囲まれ、ワンボックスの車で警察署に入る時はカメラのフラッシュの雨あられ。隣りに座っていた仲良しの刑事さんからは、
「こっち見ないでくれ。それから歯を見せるなよ」
と頼まれた。

数ヶ月後に裁判が終わり、釈放され、封印していたFacebookを恐る恐る開くと、最初に書いてあったようなメッセージが多数来ていて、うちの庭にはゴミが投げ込まれ、妻が言うには正義感に酔ったYouTuberが取材に来たり、ヒソヒソ話をする謎の連中が近所をうろついていたらしい。妻には申し訳ない事をしたが、世間の犯罪者に向ける目はそんなもんだ。

しかし一度でも僕のような立場に立てば、このように犯罪者、前科者を一括りで捉え、石を持って追うことに疑問を感じるとはずだ。まず、法と倫理には違いがあることに気づく。

留置所や拘置所には色んなヤツがいる。例えば、ある大人しそうなコンビニの店長に起きた事だ。
保険の訪問販売員が自宅を訪れ、ちょっと可愛い子だったから「ヤラせてくれたら保険入るよ」と言ってみたら「じゃあどうぞ」とのことで、そのままエッチ。コトが終わって「やっぱり月3万円はちょっと」と前言撤回。すると彼女はそのまま警察に行きレイプの被害届を出した。これで三年半のお務めとなる。

「犯罪者の言う事だから、嘘ついているだけだ」と言う人もいよう。しかしホントのレイプ魔はこんな嘘をつかない。
犯罪者同士でそういう場所にいる安心もあるだろう、彼らは淡々と、あるいは意気揚々とレイプの様子を語る。聞いていて反吐が出るほどだ。

別の話もしよう。
ある青年にラオスから謎の宅配便が届く。母親が開けて中をみたら、お菓子の詰め合わせのようだった。「なんだろうね?」青年も心当たりがなく、母親とクビを傾げる。そこに警察がやってくる。
お菓子詰め合わせは大麻だった。
彼はその場で逮捕。48時間拘束(ヨンパチ)終わって20日拘留。母親が包みを開けた事も「ワザと母親に開けさせたんだろ!」と詰められた。
彼は結局処分保留で釈放されたが、仕事はクビだし、社会的なダメージは計り知れない。

なんで大麻の宅配便が届いたのか?
これは薬物の密輸でよくある手口だ。東南アジアの国から薬物を適当な住所に送る、配達日にその家を見張り、配達完了後警察が踏み込めばサヨナラ。踏み込まなければ、その家に行って「間違って送ったみたいだから、渡して下さい」と言って1万円くらい握らせる。まあまあポピュラーな手法だ。

法律は人が作りしモノだ。しかし、神に与えられたモノの如く絶対視する人もいる。そういう人達からすれば「違法すなわち悪」で懲らしめなければならない対象なんだろう。

ただね。そういう人達に言うよ。その法律で私刑を禁止しているし、税金で犯罪者を養うことも決めている。あなた方の非難自体が、あなた方の神である法律に不敬な言動じゃあないのかね。

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