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#90.犬のマウンティングは「性的行為」なのか?~人と犬の性的価値観

こんにちは!
15年以上【犬の保育園】の先生を行っている尚ちゃん先生と申します。

さて、前回は老化のサインについてお届けしました。

今回は「犬のマウンティングは「性的行為」なのか?」というテーマでお届けしたいと思います。

ちょっとショッキングなタイトルですみません。

犬の「性の認識」について

彼らの「性的行動」に関しては必ず「子孫を残したい」という本能が絡みますので、「交尾」そのものはもちろん、必要最低限のみに抑えられます。

そして、それは発情期の雌と未去勢の雄でなければ成立しませんし、
厳密な意味では去勢・避妊済みの雄雌には心身共に反応もありません。

ここで面白いのが、ペットとして買われている犬たちに、
飼主である人間は、
「人間と同じ価値観を当てる」ことがあるということです。

つまりは、擬人化です。

この「擬人化」は時として「性的価値観」にも当てはめられます。

例えば、雄犬の去勢を検討するとき
男性の飼い主さんが、反対するという事はよくある事です。

理由を聞いてみると、
「男として忍びない」とかいうんですよ!?先生、何とか言ってやってください!」
という声は意外とよく聞かれる事です。

雌犬に関しても、
「女の子として生まれたんだから、一回くらい出産を経験させてあげたい・・・」という飼主さんは少なくありません。

避妊・去勢をするかしないかは、その飼主さんの自由です。

ですが、

生まれてくる命にはその数だけの責任が伴い、
これは人も犬も同じです。



その意味においては、去勢・避妊をするかしないかは、
感情ではなく冷静な判断で、決断すべきだと思います。

去勢避妊の一番のメリットは、
それをしなかったときにかかる可能性のある病気にならない
ということです。

それだけを考えれば獣医さん的には当然、去勢否認をすすめます。

また、日本ではトレーナーさんも、去勢避妊をすすめる傾向があります。

一般的には「去勢・避妊したほうが扱いやすい犬になる」と特にオス犬では思われているようですが、

気質の件だけでいえば、そのことだけが行動や性格に大きな変化をもたらすとは考えにくいです。

私のいたイギリスの田舎では手術をされている犬は本当に少なかったことを覚えています。

私も聞かれたことがありますが
「問題行動のある犬を去勢したら、落ち着きますか」
という質問は最もナンセンスで、
実際のところはマーキング行動が少し減るかな、くらいです。

テストステロンが去勢により減ったとしても、
飼い主さん側が望む行動は教えてあげなければ
去勢避妊をしただけで犬自身が覚えて行動してくれる、
なんてことはありません。

犬は「あたしも一度くらい子育てしてみたかった」とか
「隣の家のイケてる女子とデートしたかったたぜ」とかは思いません。

映画やアニメでは、よくメス犬をみてオス犬の目がハートになったりしていますが、実際に雌犬をみてオス犬の理性が飛ぶのは、「発情期」と呼ばれる特定期間の雌犬のみです。

まあ、気が合う、合わないの相性は当然ありますけれどね。

「仲がいいから、ちょっと交尾しようか」とはならないわけです。

ですがあまりにも擬人化され、
デフォルメされた犬のイメージを抱く飼い主さんからは

「私の足や腕にしがみついて、腰を振るんです。私が女性だからでしょうか」

とか
「相手が男の子なのに、しがみついて腰をふるんですよ、恥ずかしい」といったお話を打ち明けられます。

「イヌが何かにしがみついて、腰を振る行為=マウンティング」は性交を連想させることから、性行為のイメージが非常に強いことに驚きます。

中には顔を赤らめて、すぐにやめさせようとする方もいらっしゃいます。

犬のマウンティング行為については、交尾のための性的な目的は限定的です。

前述したように、オス犬は発情期中の雌犬がいなければ「性的欲求」はおきません。

厳密な意味では人間のそれとは違い、「子孫を残したい」という欲求だといえます。(人間の性行為はDNA存続以外の目的があるため)

奥さんの腕や足、クッションやソファにしがみついて腰をふったり、
オス犬同士が同じようなことをしたとき、
それは
「性的ではない興奮状態」
「またはどうしたらよいのかわからない葛藤・ストレス状態」

にあったり、文字通り

「相手より自分の方が強く優位にある」という優位性を示す意味の行動になります。

動物の本能である「子孫を残したい欲求」はとても強く、
通常時のコントロールや自制を振り切る場合もあります。

ですので「本能に突き動かされている」時の犬のコントロールに自信のない方は、去勢・避妊をする方が賢明だといえます。

オス犬では発情期前後の雌犬を見ると狂ったように吠えたりそわそわしたり引っ張ったり、他のオス犬と喧嘩しやすくなったり。

普段できていることや指示がきけなくなったり。

雌犬では体調不良、偽妊娠、しつこいオス犬からのアプローチ、出血による衛生管理。

そのあたりがコントロールしづらい代表格かといえます。

もちろん、避妊・去勢することによるデメリットもあります。


太りやすくなったり、恐怖を感じやすくなるといわれることもあります。

飼い主である人間側が、まず「人と犬の性の目的意識、価値観は違う」ことを認識した上で、

取るか取らないか。残すか残さないか、という決断。

それは飼い主さんが犬に行う唯一の「性」の決断です。

それを含めた「性」による行動変化は人間の価値観ではなく、
動物の行動学として捉えていただきたいなと思います。


※関連音声はこちら

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