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石を焼くとはこれ如何に

勉強

家の脇に長年ゼニゴケがへばりついていたので本気で対策を講じることにしたのが5年前。それまでは舅が毎年水に溶かすタイプの駆除剤をまいてはいたが効果が続かないし、枯れたゼニゴケがまるで古絨毯のようで・どうにも、ねえ。また、顆粒状のは効果は長持ちするが独特のニオイがあると。
マチナカだもんで、これは迷惑かな。
調べた所
ゼニゴケは酸性土を好み、ゼニゴケが生えることで土が酸性になる
ということで
石灰を撒いて土を中性にすればいいと書いてあるサイトが複数あった。
で、ゼニゴケについてもっと専門的な知識が欲しかったのだが
今回は残念ながら探せなかった。
それでも、石灰を撒くのなら隣近所にも迷惑にもなるまいと
ゼニゴケを地面からはがして石灰を撒いてその上に砂利を敷いた。
土が顔を出しているところ以外は生えてこないが
油断しないで観察を続けている。
さてそこで
夫がホームセンターで買ってきたのが

え、ホタテの貝殻から作ったんだ!さすが北海道 ♪
で、石灰って、何だっけ?
人生で初めて石灰に出会ったのはグラウンドの白線だったのでは。
あと、理科の実験で「石灰水に二酸化炭素を加えると液が白く濁る」とか
「石灰石に塩酸を加えると二酸化炭素が発生する」とか(なつかし
ここでちょっと紹介したいのが大日本物産図会という錦絵。
これは明治10年に開かれた第一回内国勧業博覧会に出品陳列され販売された錦絵だ。
大和の国のくず粉だとか甲斐の国のブドウだとか日本全国の物産が地方ごとに描かれている。なにしろ当時はまだ写真図版の時代ではなかったのだ。
その中の「美濃国石灰山之図」と「美濃石灰焼之図」に石灰が登場する。
山から石灰石を掘り出して・それを焼いて作るのだと。
そうか、石を焼いた灰だから「石灰」なのか。
古くは「イシバイ」とも呼ばれ、昔から石灰は漆喰やこんにゃく、陶磁器製造等、暮らしの中で利用されてきたのだ。
さてそこで
日本では石灰石が多く産出されるのだが
これはもともとはイキモノの身体であってだな。
イキモノの身体、殻・骨格を形作っていたカルシウムが
主にはサンゴや貝が積もり積もってできてきたのぢゃよ。
石灰には「生石灰」や「消石灰」があって
まず、山から掘り出した石灰石の主成分は炭酸カルシウムで
掘り出した石灰石を焼いたものが「生石灰」で、主成分は酸化カルシウム。
焼き海苔などの乾燥剤に使われるのがこれだ。
これは水に触れると吸水・発熱するので取り扱い注意である。
生石灰の乾燥剤があったら、改めて注意書きをお読みくだされ。
で、この生石灰に水を加えて反応させたのが「消石灰」で
こちらの主成分は水酸化カルシウムだ。
昔、グラウンドの白線に使われていたのはこの消石灰で
今どきはより安全な炭酸カルシウムを使っている。
ほれ、ホタテの貝殻を原料にしたりしてな。
ホタテの貝殻・・・これはもう、石灰じゃないのでは?
いやいやいやいや
石灰石って、元はサンゴや貝殻だったから♪

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