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職人技×テクノロジー

第9講は、製品染め・加工の現場を見せていただけるということで、文京区の小石川植物園のすぐ近く、今年で創業110年を迎える株式会社内田染工場にうかがいました。

今回のレポートは板垣がお届けします。保険会社のIT部門で戦略企画、プロジェクト推進を統括しています。繊細で美しく、手触りのあるものづくりの現場は、毎回、可能性の発見の連続です!

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アパレルの国内生産率が2.6%にまで低下している中、染色業界においても、この30年で染色業者が10分の1にまで減少しているそうです。その一方で、国内回帰の流れは確実にあり、若い世代への職人技の継承とテクノロジーを駆使しながら、未来への取り組みを続ける社長の内田さんに製品染め・加工(脱色、洗い)の工程とそこから生み出される付加価値について、そして、工場の設備、職人技をご説明いただきました。

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製品染め・加工には縮みやダメージ(変形・破損)による着用不可、再現性(サンプル vs 量産、量産ロット毎のバラツキ)や堅牢度においてデメリットもあるものの、染め・加工による風合い、色や形の変化や意外性を求めて、サンプルから量産まで様々なオーダーがあるそうです。白色の製品をその時々で流行りの色に染めて瞬時に提供したり、在庫製品の再生(元の色を別の色に染め直したり、柄を部分的に残しながら、絞り染め、グラデーション染め、ブリーチ等で加工し、新たな製品を産み出す)の要望も多いようです。

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工場では大小様々な染色機や大型のワッシャー、乾燥機が稼働していて(見学当日はお休みだったので停止していましたが、クリーニング屋さんで見たことがあるような?)、とにかく大量の水を消費する、ということに驚きました。水の消費を10分の1に削減する目的でナノバブル発生装置、という機器を年内に導入されるそうです。待ち遠しいですね。

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株式会社内田染工場では、来年の東京オリンピック関連のお仕事もされているそうです。どのような染め技術なのか、いまから楽しみにしています。

板垣


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