筆者＝キム・ミョンソン（SAND南北コリア研究所）
写真＝朝鮮中央TV

北朝鮮の金正恩国務委員長が、数万人の平壌市民がいる公の場で、娘のジュエの頬にキスをする様子が公開された。ジュエは母親であるリ・ソルジュよりも近い場所で金正恩に寄り添い、主席台で金正恩と共に花束を受け取る姿も見られた。

1日、北朝鮮の朝鮮中央テレビで公開された映像によると、金正恩は先月31日、北朝鮮平壌の5・1競技場で開催された新年の公演に出席した。

金正恩はこの日、ジュエと同じ車に乗り、公演場に腕を組んで入場した。ジュエは革のロングコートを着用し、ハイヒールを履いていた。金正恩と同じくらいの身長に見えたが、（慣れない靴のためか）入場時の歩き方が不自然に見えた。金正恩の妻リ・ソルジュは一歩後ろを歩き、高級幹部たちはその後ろを歩いた。

公演場の席では、ジュエは金正恩の隣に座った。

金正恩はこの日、公演場でジュエを抱き寄せて左の頬にキスをする姿を見せた。そしてジュエは金正恩の頬をなでた。

北朝鮮の公開行事に何度も登場したジュエは、これまでも金正恩に近い位置で同席を続けてきた。ただ、金正恩がジュエに「頬にキス」をするほどの強い愛情を示すのは珍しいことである。主席台にいたリ・ソルジュとキム・ドクフン内閣総理、チョ・ヨンウォン党組織書記、チェ・リャンヘ最高人民会議常任委員長、金正恩の妹の金与正党副部長、ヒョン・ソンウォル党副部長は、金正恩がジュエの頬にキスをする際、微笑みながら拍手を送った。

金正恩は、公演中にジュエと話をし、一緒に「私たちの国旗」という歌を歌った。

子役たちが金正恩と主席台に座っていた幹部たちに花束を渡し、金正恩は彼らを抱きしめて頬にキスをした。この流れでジュエには中年の女性から花束が渡されたが、この女性はジュエに90度の敬礼をして握手し、祝辞を述べる様子も見られた。

朝鮮中央通信など北朝鮮のメディアは、金正恩の公演観覧現場について、「尊敬すべき自身の（リ・ソルジュ）夫人と共に現れた」と説明した。

金正恩は公演開始前、歓声を上げる群衆に向かって立ち上がり手を振り、何度も立ち上がって頭を下げて挨拶した。公演が終わると主席台の下に降りて平壌市民に挨拶する姿も演出された。

北朝鮮の朝鮮中央テレビは、「公演が深夜まで続き、除夜の鐘が鳴り、祝砲が打ち上げられた」と伝え、深夜のカウントダウンの様子も公開した。

（了）