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あえて同じ日の社説にした日本経済新聞

日本経済新聞の2024年4月5日の社説で取り上げたテーマは2つです。

「党の処分で裏金問題の幕引きは許されず」
「課題残した裁判官の罷免判決」

自民党の裏金問題に対する処分についてと、SNSに投稿した裁判官の弾劾裁判についてです。
自民党の裏金問題については今回の処分で疑惑を幕引きすることは決して許されない、政治資金の透明化や連座制の適用を急ぐ必要があるという社説。裁判官の弾劾裁判は表現の自由や司法の独立にも絡む重い課題である、容易に罷免を認めることは政治が司法に不当に介入する危険をはらむという社説。

どちらも独立した社説なので相互の関係はありません。
でもお互いがつながる文章が裁判官の罷免判決の社説に記載されています。
「国会議員で構成する裁判官弾劾裁判所が罷免とする判決を言い渡した」

どういうことなのか詳しく調べてみました。
「裁判官弾劾裁判所」とは、裁判官を辞めさせるかどうかを判断する裁判所です。

憲法64条1項「国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。」

と、憲法にも定められています。
そして弾劾裁判所は衆参国会議員14名で構成されるそうです。

そうです。
自民党は自分たちの裏金問題については自分たち自民党の中で処分を決定しています。一方、裁判官を辞めさせるかどうかは裁判官自身ではなく国会議員が決めているのです。
今回の裏金問題は、一部の会計担当者しか起訴されなかったから政治家は刑事罰は受けていない。起訴されていたら裁判所で裁きを受けるが、犯罪を犯していないので自分たちで処分をして何が悪いということでしょうか。
今回の裁判官は民事訴訟で一部が名誉棄損に当たると認定されたので、我々政治家とは違うということでしょうか。
政治家は選挙で国民からいつも信任をもらっているが裁判官は最高裁判所の裁判官以外は国民の意見が通らないので、国会議員がしっかり見ますよということでしょうか。

あまりにも強い違和感を抱きます。
今回、日本経済新聞が同じ日の社説に並べてくれなかったら、この矛盾に気つくことはなかったかもしれません。
裁判官を辞めさせるかどうかは国会議員が判断し、国会議員の処分は自ら行う。
どうかなと思います。
私は国会議員よりも裁判官の方を圧倒的に信用しています。
でも国会議員の方が立場が強いのが今の日本国です。
不条理にもほどがありますね。

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