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年を取るということ【ある日の日記】

自分の考えを発言したら、相手はどう思うだろう。
もし反対の意見だったら、真っ向から反撃されてしまうのだろうか。
フーンと冷たくあしらわれ、以降相手にされない無関心な反応だったりしたら…。
ネガティブな妄想にとらわれて、自己主張が苦手な静かな人で過ごしてきた。思えば、激しすぎる父親似の感情を、それを嫌う母親が私の本質をぐるぐると布でくるむように隠してしまい、自分好みの子どもに育て上げてしまったような気がするのだ。


もちろん時に激しい感情があふれ出る。それを抑え込みたい自分も存在する。私は本当の自分がわからなくてとても疲れていた。言いたいことを正直に口にして、同じくらい人から傷つけられていた友人を見れば、
(何をしているんだか・・・)
と同情しながら、羨ましくもあった。
精神的に大人びてしまっていた私にとって、学生時代の友人は幼く、可愛らしく思えた。私はその歳の子どもらしさを装って、仲良しの友達を演じるのだ。


結婚して二人の子どもの母になった。
自分の素の部分を隠しながらこなしていけるほど子育ては甘くなかった。
何よりも、自分の嬉しいや悲しいとかの感情を、うまく相手に伝えることを子どもに教えなければならなかった。多分、私は同時に自分育ても開始した。


二人の子どもは成人し、私は立派なおばさんになった。


久しぶりに会った親戚の人に
「○○ちゃん(私のこと)って、こんなに話をする娘だった?」
と言われた。その日私は、妹と険悪な状態になっていることをまくしたてていた。


パート仲間が職場でトラブルに巻き込まれたと電話があった。理由を聞いてその理不尽さに怒りが込み上げる。とりあえず一晩で感情を抑え、翌日に社員の上司に報告と説明、そして軽い脅し(もう辞めるよ!笑)。
やっと私も発言権を得たようで、今度は黙っていることが難しくなった。これは私の進化や成長と言うより、文句ばかり言っている周りの環境が原因かもしれない(良くも悪くも)。



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