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学んで実践してみた『伝える』ということ。

毎日、お母さん達と接しているなかで、すごいなぁと、思うお母さんがいる。
実は、たくさんいる。
私は支援者という立場ながら、とても助けられたり、逆に学ばせてもらうことも多いのだ。

その中の1人、それは、若くてきれいでどちらかというとフェミニンよりロックなお母さん。
とにかくすごい。

何がすごいって、自分の感情をちゃんと伝えてくれるのだ。
それも、ポジティブな感情を。
「家では泣いてて大変だったけど、ここにきてご機嫌になってくれて、とても楽になりました」とか、
「あの企画、行くモチベーションになるし、繋がりが出来て、参加して良かった!」
とか、明確かつ具体的に伝えてくれる。

主催者側としては、(そうそう、そういう狙いを持って企画したんだよー!)とか、(こちらの思いがちゃんと伝わってる、嬉しい)
と思い、また、お返しとしてその気持ちも言葉にしやすく、建設的でポジティブな気持ちになれるのだ。

検診の不安も、義母の優しさも、話す言葉がとてもフラットでポジティブで、カッコいいズボンも、「ココにくる赤ちゃん達にモテる色かと思って」と言う理由で履いてきていたりしてて、丁寧に暮らすって、実はこういうことなのかなと思ったりした。

ある日、仕事で少し遠出(といっても自転車で30分)する用事があり、1日休憩とる暇もなくヘトヘトになった。帰り道、15分だけと、ファミレスによった。
ガトーショコラを頼むと、出てきたのがホカホカしている。その日はとても寒かったから、ありがたくてありがたくて、染み入るように食べた。
もしや出来たて?!いや、できたてでなくたって、ショーケースから出して1度あたためているのだとしたら、ひとつ手間がかかっている。

お店を出るとき、あの、お母さんが思い浮かんだ。あの方なら、このありがたさ、きっと言葉にするだろう。レシートまで受け取ったあと、勇気を出して……、といっても、あ、っと思い出した風を装って、
「ガトーショコラ、温かかったのが、すごく美味しかったです!」
と、言ってみた。
学生バイトらしき可愛い店員さんが、にっこり笑顔になり、「ありがとうございます!」と言ってくれた。

その後は、もう、心がほかほかで。疲れた1日が、嬉しい1日になった。

日々、ブラッシュアップするためには、改善してほしいことを伝えなきゃと思いがちだけど、ポジティブなことを伝えるって大事なんだな。
私自身、相手の人の機嫌が良いと、安心するタイプで、だからなるべくご機嫌でいたいと思うし、誰かを傷つけようとする言葉以外なら何を言っても許される、そんな雰囲気でいたいと思っている。
それを伝えるために、天気の話題もたわいもない雑談も大事にしてきたつもりだ。

私はあなたともっと親しくなりたいと思っていますよーという気持ちのあらわれ。

でも、感謝を具体的に口にする、こんなまっすぐな伝え方もあるんだなと、なんだか発見だった。
伝えていこう。
伝えて悪いことはない。
伝えられた方もそうだけど、
伝えた方もしばらく嬉しいを引きずる。
温かくて美味しいガトーショコラが、ずっと残る。

今度会ったら、ちゃんと感謝を伝えてくれるの、ホントに素敵ですって、そのお母さんに言おう。



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