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濁ってしまった水槽(ジャニーズの話:本文)

前段を踏まえて。


今回の件で思うところ。

①共通しているのは"性加害はあってはならない"ということただ一つであること

カウアン氏の告発から今回の一連の動きが始まったと認識しているのですが、
当初は陸自のセクハラ訴訟と重なる部分があるなと思って見ていました。

五ノ井さんのように今後法廷で彼がひとり、"天下の"ジャニーズ事務所と対峙していくのかと。

その浅はかなイメージはものすごいスピードで変貌していきます。

海外メディアからの摘発、相次ぐ被害者の言挙げ、それに伴って動き出すマスメディア。

被害者側のゴシップも相まって、当初感じていた印象とは全く違う方向に行っているなというのは早い段階で感じることとなりました。

(ちなみに、僕のJr.の認識は90年代後半〜00年代初頭、そしてSnowManを好きになった2019年以降の部分で、ちょうどカウアン氏がいた時期はすっぽり抜けています。)

被害者の声、SNS上の"世間の"声、
それらすべてが出発点である"性加害はあってはならない"という一点のみが共通していて、
そこから先のルートや着地点は程度の差はあれどひとつひとつ明らかに違う。

ようやく改めて法廷に進む道が出始めたようですが、
司法のような明確なジャッジが下されない中で各々が別の着地点に向かってあれこれ声を上げているように見えていて、"連帯"が上手く機能していない。

これは最大の加害者とされる喜多川氏が逝去されていることも理由として大きいと思います。

ジャニーズ事務所側も(こちらもようやく)方針を発表したいま、
今後求められるのは落とし所であって、
その際にどこまで司法を絡めた指針に沿うことができるか、被害者側/事務所側双方が決断していかなくてはいけない部分かなと思っています。

またマスコミや僕らの側はその推移を静観する余白も持ち合わせておくべきかと考えます。

②マスメディアの功罪と反省

海外メディアや第三者委員会の報告書でも言及されたことで若干の波が立っているマスメディア側の対応に関して。

マスコミ、主に主要テレビ局が今すべきは、
各ニュース番組や情報番組でのキャスターの内省的なコメントなどではなくて、
上層部マターできちんと調査した上で、過去どんな圧力や忖度が働き、その結果どういった隠蔽や無視が発生していたかを文書なり番組なりで発信することにあると思います。

一度きっちり落とし前つけましょうよ、と。

今後に関しては視聴者やスポンサーの目がバチバチに光るでしょうから何かしらの変化は起きるでしょう。(個人的に能年玲奈さん問題も動いてくれるといいなと思います。)
だからこそメディアは過去をすべて清算するムーブをはっきり取るべきです。

そう、ムーブでいいんです。ダメだけど。

そうして一度わかりやすい形でごめんなさいしたらいいんです。


③事務所と所属タレントの"一蓮托生感"に対する違和感

最後はかなりファン目線入ると思いますが、

事務所の記者会見およびその後の所属タレントの発言を見聞きしていると、
正直タレントがどうしてそこまで追い込まれ、また自らの言葉で事務所との心中とも取れるような発信をしなければならないのか、疑問に感じます。

彼らは事務所に所属しているタレントです。
要は被雇用者であるわけで、
事務所の不祥事に対して彼らひとりひとりが責任を負う必要はないというのが僕の考えです。

むしろ雇用する側である事務所は彼らを守る立場であり、
守れないのであれば彼らにも謝罪なり補償なりはされるべきであって、その後雇用契約を解除し放出すべきではないでしょうか。

彼らと事務所の経営陣は対等ではありません。
事実彼らの活動は彼らの意思によるものではないことが当たり前です。

これは性加害の問題とは別で、
所属タレントは会社の方針に従って活動するのが通例であって、
ファンからしたら辛い決定だったり、疑問に思う活動ももちろんあるわけです。

それなのに、こんな状況になった時だけ、
彼らに事務所と運命を共にするような発言をさせるのは、彼らが本心でそう思っていたとしてもさせるべきではない。

事務所擁護とも取れる彼らの発言は現に誹謗中傷の火種になりかけていますし、実際一部は燃え始めています。

会見でも忖度などの部分で彼らに非はないという発言がありましたが、事務所は言葉だけではなく徹底してこれまで通り彼らを守ってほしい。
これも企業としての責任だと思うのです。

そしてこうした歪な関係性が芸能界全体でもあるのだとしたら、根本から改善していく方向にもうワンシフト進めてほしいです。
エージェント契約や個人事務所設立の増加、小栗旬さんの俳優のための労働組合構想など、動き始めている感はありますが、
今回の件もそういった視点での新たな改革のきっかけになるに十分なイシューだと思っています。


いろんな観点があると思いますが、
僕がここまでの期間に感じてきたことは整理するとこの辺りです。

①でも書きましたが、本当にそれぞれの想いが交錯、というときれいだけど、混沌の中に点在しているような感じなので、
この駄文もひとつのモヤモヤであり想いであるとしていただけると幸いです。

あと一本、良ければお付き合いください。ながっ

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