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いつか来る、その日のために

きっと、来る

親が来るのが嫌だった。ボクは陸上部に入っていた。小学生の頃は年に2回、大会があった。

秋口の市内大会と、冬の駅伝大会。この2つの大会に参加していたのだけれども、恥ずかしくて親が来るのが嫌で嫌で仕方がなかった。

特に外見が悪いわけでも、友人に見られることに問題があるわけでもなかった。ただ、来られて見られて応援されるのが嫌だった。身勝手だ。

親になった今となっては、子どもからの「嫌だ」という言葉がどれだけ深く、重く傷つくのか分かるけども、子どもだった当時は分からなかった。

だから、軽々と両親に言っていたのだろう。子どもに拒否されて喜ぶ親などいない。

オヤジが来るのが嫌で仕方がない。そうつぶやいた時、オカンにひどく怒られたが、親の気持ち子知らずなので、そんなこと言われても嫌なモノは嫌、と突っぱねた。

突っぱねたけどオヤジは来た。競技中に発見して明らかに顔が歪んだ。

すまなかった、オヤジ。来てくれてありがとう。今なら、そう心から言える。

なぜか、我が子の発表会が先日あったからだ。我が子も、そろそろ親が恥ずかしいと思う年頃になった。

妻は問題ないだろうけども、ボクが会場に足を運ぶことは嫌なのではないか、と不安が過る。幸いにして今回は何も言われなかったけども、そろそろ言われても不思議ではない。

そうなった時、ようやく両親の気持ちが実感できるのだろう。もちろん、言われないに越したことはないけれども。

その時が来た時、いったいボクの気持ちはどう動くのだろうか。怖くて仕方がないけれども、いつかは通る道であるとしたら仕方がない。

我が子の気持ちを受け止め、呼吸でクリーニングしよう。嫌だなー。

おもいのままに。続けます。今日も呼吸ができた。ありがとう!


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