ピースを拾えない完璧主義者は虎へ

23時に眠りたくても気づいたら日付が変わっていて、
今日は何したんだろうと結果を記憶から手繰り寄せるけれど、何も無かった。

しっかり寝ないと明日辛いのに、今日何も出来なかったことが何気に悲しい。
成果は無いが、後悔ならある。それを書きとめようか。

僕は生徒会の書記を務めている。
我が道を進むような、「こころ」のKのような
そんな会長の元で活動している。イベントの計画を立て、準備をしていたのだが、
今週のノルマが早くに終わってしまって、来週の分を今週中にやってはどうかと提案した。生徒会のみんなは賛成してくれて、活動を再び始めた。

しかし、それは担当の先生にとって良くなかったようだ。ちゃんと先生と確認して欲しい旨を生徒会長にそれはもう長い時間話していた。
提案したのは僕なのに、注意されているのはリーダーであった。

私が提案したんです。そう言えたなら良かった。
そんなことは出来ず、僕は教室に戻った。注意されたくなくて。

そうなんだよ。僕はどんな小さな注意でもされたくないんだ。
それだけで相手が自分にしてくれている評価がぐんと下がる気がして怖くて仕方ない。
数学の演習が、たとえ間違っていたとしても、間違いを指摘されたくない。
できないことがある自分を認めたくない。そんなの恥ずかしい。

そうやって思いながら、数学の演習ノートをさりげなく隠しながら、
こんなにも臆病な自尊心と傲慢な羞恥心の隣に僕は立ってる。

もちろん失敗から学ぶこともある。それは絶対に。
きっとそっちの方が得られるものは多い。
勉強だって出来ないことをできるようにするためにやるんだ。
失敗を指摘されたの時の絶望感は大きくて恥ずかしいけど、
もう二度と間違えないように考えるし。
いい方向にしか向かないことはわかっているけれど。

それでも、私はミスをした自分を許せない。
ただただ僕のいいところだけを見て、肯定して欲しいと願ってしまう。
ペラッペラの表面だけでもいい。ラップみたいに中身が透けて見えてもいい。
僕が満足するように取り繕わせて。そこだけ見てて。

僕が優秀な人間であると錯覚して欲しい。



僕は、いつか虎になってしまうのだろうか。
親友なんて居ない。だから虎になったってきっと誰にも気づいて貰えない。
そのまま誰かの喉に噛み付いて。深紅を纏って。

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