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展示会後の一言で号泣した話

「君の頭のなかにはステキなものがつまってるんだから、もっと私たちを頼ったらいいよ」

人生二度目の展示会。美大も専門学校も出てない一般人の私が展示会をしてるってすごくおかしい状況なんだけれども。

振り返りをしていたときに仲間に言われて、号泣してしまったのでその時の話を閉じ込めておきます。


自分が作ったものを嫌いと言われる

泣いた原因は、じつはその前にまっったく無関係なところで遊んでいたゲームが原因でした。自分でキャラクリをするスタイルのゲーム。


多くは語らないのですが、何度も何度も否定的な言葉を作ったものに浴びせかけられて、展示会の手前の自己肯定感激下げ時期に最大級の地雷が爆発してしまったんです。


自分が作るものが人を幸せにしないんだってすごく落ち込んでしまったし、「自分なんて」と「明るくいなきゃ」がないまぜになって泣きそうで泣けない。あと一本紐を引いたら破裂する寸前でした。



虚無でした。この2ヶ月なんだったんだろうって。

わたし、なんで自分が楽しむための卓でこんなにネガティブな言葉を浴びせかけられて、傷つくと何回伝えても殴られてるんだろうって。



虚無でした。



楽しかったけど、同じくらいしんどい。DV彼氏とかモラハラ彼氏と付き合ってる状態に近い気持ちでした。


わたしは何もできないんだから、仕方ない。自分が悪いって。ミスしたのは自分やから。自分を責めに責めて、自分が悪いからって納得させようとして。本当にそうやって必死に笑顔を作って。今も虚無に襲われるし、その周辺と遊ぶのも、少しこわいです。


土曜からぼんやりと、火曜日まで4日かけて抱えたあの虚無は、二度も味わいたいものではありません。


ちなみにこのとき、一番初めに相談したのは、福利厚生で毎月お世話になってるマッサージ師のおにいさんでした。

施術しながらただ話を聞いてくれてありがとうな!マッサージのおにいさん!!


仕事で作るものには自信を持っている

少し話は変わるのですが、仕事で作るものには自信を持ってます。

素材がまず、いい。仕事で扱う素材はピカイチなんです。この素材を調理し、一番届けたい人に届けば、勝利なわけです。


そして、目的に沿っているかが一番大事なので、目的思考でものを整頓できるから。

好き嫌いでぶつかったりしません。


こだわりや、見せ方はわたしに一任してくれるから、そこは胃を痛めながら丁寧に編み込んでいます。


完璧だと思っても、また新しい角度で打ち込むこともあるし、改稿も重ねます。それは、結果を達成するためにあるから。


仕事はシンプルに集中できるし、いいものしか世に出していないと信じながら働けます。



でも、自分の思いを乗せるとなると本当にこわくて仕方ないんです。


自分の思いを編み込んだものに自信がない

「わたしの思いに、人はそんなに興味がない」


私は人の欲を聞くのが多い立場だからこそですが、他人って、そんなに人の欲に興味がないと思ってます。


そんななか、自分の肯定感が地に落ちて、「あ、やっぱりわたしはダメ人間ですね」ってなっていたし、ステキな友人の展示に並べるにはあまりにも苦しくて。

スペースはある。やらなきゃいけない。なのに、自分なんかが大したものを出せない。

起きてるか寝てるか分からない生活でした。仕事も詰まってるし、いつも通り1人だし。


自分が良いもの作ってるか不安でたまらない日々でした。笑っててもどこかでぎこちない。でも、明るいサンさんで、わたしであらなきゃ、ってなってました。


どうにか設営に顔を出し、翌日も最後の設営に向かって、その後は友人に後を託しました。


なんかもうどうにでもなれ!って思ってました。


一緒に作る楽しみ

日曜日、なかなか眠れない体でどうにか朝這って向かったとき、空いていた壁に、ライブペインティングの跡があったんですよ。


「一緒に描こう!!」


そう誘われて、軒下で絵筆を握りました。


すごく怖かった。自分が台無しにしちゃうんじゃないかって。でも、はちゃめちゃでいいんだって言ってくれたから、ひと筆がようやく出た。


あのね、めちゃくちゃ楽しかったの。わたしの塗ったものが違うものに変わり、友人の意図が違うものに塗り変わっていく。

共存と新しい解釈が積み重なっていく色紙が、すごく愛おしかった。

色紙に合作


お客さんも温かい人ばかりで。

「これ、好き」

「写真撮りたい!」

そんな言葉ばかりが溢れてて。裏にいるみんなもどんどん創作意欲があふれて作品が増えていく。


ライブペインティング飾った


来てくれたみんなともライブペインティングして。新しい色を重ねて。

一度は離れようと思ったこともあるグループだったけど、みんなが好きでゆるくでも残って、本当によかったなって改めて思えたんです。


合作の途中



何段階も進化を残したギャラリー


周りを頼りなよ

ただーし!正直締め切りも何もかもぐちゃぐちゃで、反省点は多い展示会でした。

2次会は急きょカラオケで反省会。

一人一人が文句とか、スタンドマイクで伝えていくスタイルに🎙️

ごめん友よコレしか残ってなかった


一番頑張ってくれた仲間がね、最後一人一人に声かけをしてくれたんですよ。


ちゃんと甘やかさない。おこるとこは怒る。でも褒めるとこは褒める。


自分の番のとき、とても怖かった。いや、怒られるくらいには何もしてないし締め切りもぐちゃぐちゃだったんですよ??


怒られるじゃんねえ。って思ってたんですよ。


彼女の言葉を、自分のために残しておきます。少し記憶が薄れて脚色入ってたらごめんね!わたしはこう受け取ったよって話。

「お客さんが来てるときにバックヤードで隠れないの!!自分が作ったものだって、堂々としてなさい!

…でもね、人に自分が作ったものを説明できないくらい、不安いっぱいのなかで制作してたよね。

サンさんはさ、私たちと違ってもの書きだから、表現技法だって当然たくさんは持ってない。そんななかで、別のメンバーの誰とも違って、本当に1人で、作品を作ってきてくれたんだよね。

まずね、作ったことがすごいんだよ。まずはその自分を褒めて欲しい。

あなたの頭の中にはステキなものがつまってるんだから、もっとデザイナーの私たちを頼ったらいいよ。

でもさ、人の機微にすごく敏感だから、私たちが自分に手一杯だから、迷惑かけないようにってすごく気を遣ってくれたんだよね。

搬入のときも、人数足りないとき一番に声かけてくれてありがとう。本当に嬉しかったよ。

一緒にサンさんのアイディアを作るのを次は手伝いたいな。私たちが助かるから。おつかれさま。」


涙が止まらなかった。彼女とは一度しんどいプロジェクトでお互いしんどかった時期があったんですよ。本当に、全員で傷つきあって距離を取って、縁を切ろうともしていたくらい。

その時会ったデリカシーのない人間をいまだに許せないくらい、全員が疲弊したプロジェクトだったから。


それを2年越しにこえて、展示会ができて。わたしが弱いところも苦手なところもわかって、それでもみんなが受け入れてくれてたことに気づけてなかったんだと分かりました。


直前の虚無も、自分を責めなくていいんだと思ったら、涙が止まらなくなりました。あのときの自分は悪くなかった。自分が作ったキャラは、愛していいんだって。


優しい世界で、新しいことに挑戦しながら強くありたいなと思ったのでした。


展示会の次回の約束もさることながら、仲間たちと焼肉をおいしく食べ、別ベクトルの新しい約束を取り付けました。

またひとつ、思い出が増えてしまいますね。

展示会も振り返る焼肉

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