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2021.0402 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

あなたがいらっしゃる日は、本当にいつも雨が降るのね。

ここ最近、お茶のお稽古に行くたびに先生からこう言われているような気がする。

この27年間、遠足も修学旅行も海外旅行も雨で中止や延期、なんてことをほとんど経験しないで生きてきた。ところがどっこい、高速バスで街に出て好きな人とデートをしていた学生時代の週末と、お茶のお稽古に向かう社会人になってからの週末は、どうも雨模様が多い。

学生時代は、雨音に好きな人の声が掻き消されてしまうから横顔でも相手の口の形を読み取れるようになったし、お茶を始めてからは雨や雷に関する銘をたくさん見聞きするようになった。

春時雨、杏花雨、菜種梅雨……

この時期の雨だけでもたくさんの雨があって、それぞれに景色が異なる。

春時雨(はるしぐれ)
春になると、突然降ったり止んだりする雨

杏花雨(きょうかう)
杏の花が咲くころに降る雨

菜種梅雨(なたねつゆ)
菜の花が盛りの頃に降る雨

雨といえば夏前の梅雨を連想しがちだけれども、春もまたよく雨が降る。

七十二候では、「2021.0402 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」にあたるこの季節。雷を伴う雨空を越えると、暖かい春の陽気がやってくるとのこと。

昨日から新年度が始まって、急に忙しなく日々がまわっている。3月31日はボケっと過ごしていたのに、たった一晩日を跨ぐだけでまったく別次元にきてしまったようで、ちょっぴり戸惑っている。

春の暖かい陽気を迎えるために雷が必要なように、壊れやすくて繊細だけれども、可能性に満ちた新年度のお仕事に慣れるためにも、きっとこの怒涛の日々を越える必要があるんだろうな。

雨音にかき消されても好きな人の口の形を横顔でも読み取れるようになったあの週末の積み重ねのように、雨に関する銘が頭にぱっと浮かんでくるようになったあのお稽古の日のように。

そんなこんなで、新年度が始まって2日で週末がやってきてくれた。明日のお稽古は、久しぶりに雨に降られず行けそうで、ちょっぴりうきうきしている。

これはつまり、春本番が、もう目の前まで迫ってきているということなのだろうか。

ゴロゴロゴロ。

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