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「エッセイ」本を書く#シロクマ文芸部

本を書く人になりたかった。

ずっと昔、中学校の恩師が私に言った。
「貴女は本を書く人になりなさい。貴女なら頑張れば、きっとなれるわ」

「本を書く人」だったか、小説家だったか作家だったか忘れたが、とにかく350人以上居た生徒の中で、たった一人、そう言われたのが嬉しくて私は本を書く人になるんだと思った。
世の中には「本を書く人」と「本を読む人」ごく稀に「本に書かれる人」が居る。
私は「本を書く」側の人間になれるんだと勝手に思い込んでいた。

↑この恩師の言葉だ。
今日、この記事を添付するにあたり読み返してみたら、たった数ヶ月前なのに随分と稚拙な文章で驚いた(苦笑)「書く」って、慣れもあるんだなと痛切に感じている(苦笑)
まぁ、それは置いておいて、私はこの恩師の言葉を信じて「本を書く」側の人になれると思って遊び呆けて生きてきた。
そう!「頑張れば」が、すっぽりと気持ちよく私の頭から抜け落ちていた(笑)
直ぐに、思い上がる、有頂天になる、おっちょこちょいが服着て歩いているようなのが私だ。

で、それでだ!最愛の生き甲斐だったダーちゃん(主人)を亡くして、私はハタと気付いた。いや、もちろん直ぐにではない。気付くまで、かなりの時間が掛かったが、やっと気付いた。目覚めたと言ってもいい。

今の私には何もない……

介護と仕事に一日の大半を費やしていたから、特技はもちろん、これといった資格も趣味も何もなかった。
7年半の間、テレビドラマも観なければ、流行の音楽も聴かない。読書はしたが、病院の本棚に並べてあった本だけだったから、選択肢が限られていた。

空っぽ

身体という魂が宿る器だけが7年半分年老いて、失ったものの大きさに心が空っぽになっただけだった。
これから何をして生きていこう?

ヨガやジムにでも通ってみる?それもいいけど、私の「生き甲斐」には程遠いポジションじゃない?
株式投資を本格的に学んでデイトレーダーでも狙ってみる?世知辛い気がして、私には向かないよな。
ボランティア活動にでも参加する?素晴らしい事だけど、ボランティアしてもらいたい位の精神状態じゃ相手に失礼でしょ?

じゃあ、何をする?
人間って、ただ喰って飲んで(おい!)寝るだけじゃ生きてる価値があるの?

すっからかんの心を抱いて、ただ仕事して飲んでバカ笑いしてダーちゃんを思い出しては泣いて過ごした。
そんなバカな上に空っぽになった私に、ある日突然、神のお告げのように…いや違うな(笑)稲妻が走った(雷怖いからこれも違うけど、ま、いいか 笑)

作文を書こう!!

三度の飯より、私は「書く」事が好きだったはずだ。才能も勉強も中学校で止まってるけど、私が「書く」事は誰にも迷惑掛けないよね?本当に好きな事をもう一度始めてみよう。
そして私は、今このnoteの街に住んでいる。

出来ることなら、一冊でも本を出してみたい。遠い遠い道のりだろうけど、今度はもう諦めたくない。だって、私には他に何もないから。
私の文章は、まだまだ荒削りでゴツゴツしている。でもリハビリのつもりで、これからも書いていきたい。叶わない夢でもいい。「生きている」実感と私が「生きた」証が此処に遺せるから。



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