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一朝門下のお二人、いつもと一味ちがうお顔を見せてくださるの巻 | 五十歩百歩(第八回)

4ヶ月ぶりの五十歩百歩も、やっぱりとても楽しかった〜!2ヶ月に一度、読売ランド前のステキな会場、棕櫚亭さんで開かれる、落語協会の二ツ目さん5人の会です。

五十歩百歩の会(第八回)
オープニングトーク
柳家小はぜ  のめる
春風亭朝之助 ぐつぐつ
柳亭市若   昆布締め(三題噺/見習い・魚屋・ものまね)
       パチとカマ(三題噺/トリプルプレー・五円玉・スマホ)
〜仲入り
柳家圭花   つづら泥
春風一刀   死神
三本締め

オープニングトークに久々に5人が揃いましたね!嬉しいな〜!

秋の真打お披露目の番頭を務めたという朝之助さん、お疲れ様でした!一門で応援にまわっていた一刀さん、市若さんも、お疲れ様でした!寄席にお邪魔したときは、物販コーナーにいらっしゃるお姿を遠くからチラチラ覗き見してました(買ってあげなさいよ)。
独自の主義を貫く小はぜさんも、間に立ってバランサーになる圭花さんも、みんな違ってみんないい(適当)。

わたしはとにかく、5人さんのワチャワチャを揃って見られることが嬉しいのですよ!待ってた!待ってたよ!!

わたし的、今回のハイライトは一朝門下のお二人。

今回、順番決めに初めてジャンケンというフェアな方式が用いられたらしく、無事トリから解放された朝之助さんが、なんと小ゑん師匠の「ぐつぐつ」を……!待って待って!朝之助さん、新作もお持ちなんですか!?
これはもう、めちゃめちゃに嬉しかったー!!

新作でもやっぱり、朝之助さんの品の良さは変わらなくって、「ぐっつぐっつ…!」で鍋が揺れても、朝之助さん版は決して、汁が台に跳び散りはしていないんだろうなと思いながら観てました(そこなの?)。良かった〜。

一刀さんの「死神」は雲助師匠からとのこと。

話はずれるけど、今回雲助一門ネタが多くなかったです?? ひとり心の中で小躍りしていたんですけど!
急に話しかけられたときの「ァおン?」、ありがとうございました!思い出してもニヤニヤ止まらん。つまるところ、みんな雲助師匠がお好きということですね、わかります。キリッ

一刀さんのあの独特の雰囲気、「フラ」ともちょっと違うような気がして(そもそも「フラ」という単語をよく理解できていないのもある)、個人的に「抜け感の人」という印象を持っている。
なんだろう。「天然」ではなくて、ご自身の見え方はキッチリ把握したうえで、あえて抜きにいってる聡さを感じる(何様目線)。

特に五十歩百歩の会では、軽やかにかわしていっている印象が強かったので、今回抜け感のお人の本気モードを垣間見た気がして、なんだか嬉しかった。

基本的に、わたしは雲助師匠と白酒師匠の間を反復横跳びしているような落語ファンなので、お二人のバージョンが基準になっていて。
そうそう、雲助師匠版は1日の出来事なんだよね、この不気味さが愉快犯的なんだよね、と心の中で頷きながら拝見しました。愉快犯風の不気味な死神、一刀さんに合っていたな〜。とてもよかった。また観たい!

出番の関係で今回はかけられなかったそうなのですが、一刀さんの新作「存在感」の地味くんスピンオフ噺もあるとのこと。そちらもいつか出会えるのが楽しみ。地味くん、まわりから地味な人認定されているのに、全然卑屈じゃなくて、むしろ陽の気配を感じるの、すごくイイよね。わくわく。

所変われば品変わる、じゃないけど、出番が変わればまたその方の別の側面が見えてきたりして、とても嬉しい発見のある回でした!
逆に言えば、七回に至るまで小はぜさんという裏ボスの暗躍()があったからこそ、今回の楽しみが増したとも言え、るのかな? そうかな、笑

このまま独裁政権(?)が続くもよし。いつの日か革命が起こるもよし。
5人いるからこそ起きる、さまざまな化学変化をこれからも生暖かい目で見守っていきたいです。

来年も楽しみ〜〜!


(追記)今年最後の会なのにトリが「死神」になってしまったからと、最後はめでたく三本締めでお開きだったの、もしやお披露目の余韻が抜けきっていないのかな?感があって、かわいかったな。(客席へのお気遣いが嬉しいうえでの、あえて茶化したいかわゆさ)

今回、ほんとうに最初から最後まで、たっぷり元気をいただいた。笑いすぎて涙が出るくらい、とっても楽しかったなぁ。ありがたい。

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