これはもう、好きになってしまったかもしれない|小満ん夜会

小満ん夜会

春風亭かけ橋 かぼちゃ屋
柳家小満ん 七八一九
春風亭柳橋 船徳
〜仲入り
小満ん 縮みあがり

赤坂会館
20220629


こちらは、マガジン『メモログ』の記事です。

『メモログ』は、自分のための感想覚書を蓄積するために作成したもので、ひとさまに読まれることを前提としていません。そのため、文章の体裁が整っていなかったり、構成がめちゃめちゃだったりします。
それから、ネタバレにも気持ち程度にしか配慮していません。

ご覧くださる奇特なかたは、どうかもろもろ悪しからずご了承ください。


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先日お邪魔した「小満んと遊ぶ会」(もともと予定していた小のぶ師匠休演のため、急遽代演にて開催)があまりにも楽しくて……!
赤坂会館でもっと小満ん師匠を聴いてみたいという気持ちに取り憑かれてしまった。

で、今日が初めての、小満ん夜会。

楽しかったなあ。よかったなぁああ。

一席目の「七八一九」は、若い衆が四人で旅するのにどこに行ったらいいかねえ?というのをご隠居さんに相談する噺。賽の目によって東北方面なのは決定したから、じゃあ、芭蕉の『おくのほそ道』をなぞって、あそこは?ここは?と話が進んでいくんだけど。

若い衆とご隠居が話している見慣れた構図なので、お江戸の時分かな〜と思っていたら、宝くじが出てくるし(単なるくすぐり…?)、鉄道が出てくるし(糸魚川行きの寝台列車!)、文明堂のカステラも出てくるし(KIOSKで購入?!)。
なんだか妙だぞ…??と思って後で調べたら、小満ん師匠自作の落語だった……!

なんと読むのかもよくわからないこのタイトル。
洒落の通じる人や博識の人なら「ああ、あれね」って意味がわかるのかしら?と思っていたら、なんと「ヒッチハイク」と読むのだそうな。まじか。これまで持っていたわたしの中の小満ん師匠のイメージが、どんどん変わるじゃないか。

芭蕉の句を引用しながら噺が進むなんて、さすがは風流人と呼び名が高い小満ん師匠!と思っていたのに、噺に出てくるひとたちは、聞く方も聞かせる方もだいぶいい加減なので、せっかくの風情はどこへやら……なんだけど、会話の端々に洒落がきいていて、これがとっても楽しい!ほんとうに楽しい!どうしたらこんなふうに言葉で自在に遊ぶことができるのだろう。

洒落を言うときも、「面白いことを言うぞ」「ここは笑いどころだぞ」みたいな気負いが一切なくて、するりっと述べてしまう小満ん師匠にじわじわと感じる、なんともいえない可笑しみ。
わたしは洒落が通じるとはとても言い難い人間なので、するりっとくる分、自分の頭に落ちるまでは若干のタイムラグが生じてしまうんだけど、それでも可笑しいの。

正直サゲもね、よく意味はわからなかったんだけど(おい)、でもご隠居と若い衆の言葉の応酬だけでもう大満足だった。ずっと聴いていたい。
特に好きだったのは、「しらすの盆栽仕立て」と、有楽町の「億のほそ道」。もう冒頭から掴まれまくってる。笑

助演の柳橋師匠、前座のかけ橋さんは初めて拝見しました。

かけ橋さんの、しずかに鈍い与太郎可笑しかった。
来月から二ツ目に昇進されるとのこと、おめでとうございます!

柳橋師匠は夏のはじめに「船徳」。
本編に入る前に「商売根問」の雀の話がつくのは初めて聞きました。
柳橋師匠の持ち味なのかな。マイペース感や振り回し力は一歩後ろに引いて、一所懸命だけどどこか不器用感が前にでているように感じた若旦那。その分「モウヤダ!」の爆発が一層可笑しい。この若旦那、絶対悪いやつじゃないと思う(他の若旦那もべつに悪いわけじゃないけどw)。
そういえば、岸にたどり着かないバージョンも初めてきいた気がするな。どうかな。

小満ん師匠「縮みあがり」も初めてきいた。
「堀の内」でおなじみの堀の内の御祖師様。信心を集めているようで、落語に出てくるみなさん、やっぱりお参りはそこそこに別の話題へ。笑

鼻で惚れる梅さんの、さらに上をいく助さん。
目当ての子じゃないからって急にケチになっていじける助さん(自業自得)は、近くにいたらむちゃくちゃ面倒臭いけど、どこかかわいい。お見立てで女の子を正視できない助さんも、めんどくさかわいかった。
助さんがあまりにも「アラビア馬」って悪態吐くから、あとでググってみたら、可愛いじゃないの、アラビア馬!

お目当ての子の名前が「お熊さん」と発覚して、あれ?と思っていたら、案の定すんなりとはいかなかった😂やっぱり落語に出てくるお熊は……w



仲入り後にお召しになっていたロイヤルブルー(紺と呼ぶにはなんだか味気なくてあえて言いたいロイヤルブルー)のお着物もお似合いになっていてすてきだったな。

お席亭いわく、小満ん師匠もこの会場で演るのがお好きとのこと。
師匠が大事にされているこの時間を、これからはわたしも隅の方でご一緒させていただきたい。

赤坂の小満ん師匠、好きになってしまいました。


第二回目メモログのメモ:勢いではなくて、今日みたいにじんわり噛み締めたいときはnoteの形式合ってるかも。あと、意外と書きたいこと、あるんだなァ。

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