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上原ひろみ「hiromi’s sonicwonder」感想 初ジャズ体験!

こんにちは。さんろくと申します。


今年もあと残すところ1週間ですね。

振り返ると、ぼくの中では生活観が180度一変した年でした。

特に実家を離れて1人暮らしを始めたことで、新たな挑戦と体験の場が格段に増えました。新鮮な風を味わう事で、人生はより豊かになったなと思えるようになりました。



新鮮な風でいえば、音楽鑑賞においても未知との遭遇が沢山ありました。

ライブ体験ではインディーズ、声楽、ヒップホップ。野外フェス「フジロック」では、ジャンル・国籍に囚われないボーダーレスな空間で熱狂の渦に包まれました。

多様な価値観によって、声と音の表現の幅が限りなく広がり続けている音楽界は、どこか現代アートと共通する部分があるのかなと思います。


ジャズピアニスト・上原ひろみのライブ「hiromi’s sonicwonder」


本題へ。

21日(木)、東京・丸の内の東京国際フォーラムで、ジャズピアニストの上原ひろみさんのライブ「hiromi’s sonicwonder」を鑑賞してきました。

上原ひろみさんのライブも初めてですし、ジャズを生で聴く事自体も初めてで、今回も初めてづくしでした!



①上原ひろみさんについて


ぼくが上原ひろみさんに興味を持ったのは、上原さんが音楽の総指揮を担当したアニメ映画「BLUE GIANT」を鑑賞してからです。

BLUE GIANTはジャズをテーマにしたお話で、単行本は最新刊まで網羅していますが、ホントに全人類に薦めたいほどぼくの大好きな漫画です。ジャズに疎いぼくでも、読んでるとジャズを少し知った気分になれます笑

原作勢として、映画化する前は正直「演奏の描写を実写で表現するのは難しくないかな...」と不安な気持ちが大きかったです。

予告映像を見て、音楽担当に上原ひろみさんの名前が表示されていて、その不安が少し解消されたのを覚えています。上原さんは凄いピアニストだという噂は時々耳にしていたので。

そして、映画を実際に鑑賞してみて、CG技術などのアニメーションについてはあまり評価しづらかったのですが、そのマイナスな面すらもかき消すぐらいの音楽演出には度肝を抜かれました。

主人公・宮本大の激しいサックス演奏には、原作を読んでいた時に頭に浮かべた音を卓越した再現度で、とにかく感動しました。上原さんの魅力にも一歩二歩と近づけたような気がしました。

Apple Musicのラジオ「Tokyo Highway Radio with Mino」にゲスト出演した際には、上原さんの純粋な人柄を知り、一層惹かれました。

ピアノは6歳の頃からずっと弾いてるのにも関わらず、「音楽は永遠の片思いだ」と、一途な愛を語っていらっしゃったり。

「ライブをする上で大切にしている事は?」の質問には、「今日が最初で最後と思うこと」。この一言はぼくの胸に凄く突き刺さりました。



本気でこの方のライブを拝見したい!との動機へと至るようになりました。

でも、ジャズのライブは敷居が高そうだし、チケットも最低1万円は超えるのでは・・・と変な認識をしていたんですが、今回ゲットしたチケットは6500円とまあ低価格帯!なので、購入時は全く抵抗が無かったですね。



②東京国際フォーラムへ到着

東京国際フォーラムホールA  入口ゲート
ライブポスター


東京国際フォーラムは学生時代に行った事があるはずなのですが、あんまり覚えていません。

びっくりするほど会場の規模が大きかったです。指定席は2階だったんですが、向かうまでに「何回エスカレーター乗らされるの!?」と心の中で突っ込んでしまいました笑

途中階には休憩所やカフェなど、ゆったりとくつろげるスペースも用意されていて、まるで空港にいるよう。



会場内は写真撮影・動画撮影が固く禁じられていたので、ここからは文章のみで現場の状況を把握していただければと思います。


③ライブ開始


上原ひろみさんのバンドは、ピアノの上原さんと、トランペットのアダム・オファリルさん、ドラムのジーン・コイさん、ベースのアンソニー・ジャクソンさんの4人で構成されていて、今年発売の新アルバム「sonicwonderland(feat sonicwonder)」の収録曲をメインに演奏を披露されました。

アルバム1曲目「Wanted」からスタートします。

静かなピアノの前奏から、ドラムの音がかさなって、トランペットが吹き始めるまでの高揚感が気に入りました。「これぞジャズだ!」と言わんばかりの落ち着いた演奏に、初手で心を掴まれてしまいました。


④一人三役


2曲目の「sonicwonderland」。上原さんの個性がどんどん発揮されていきます。

2曲目には、弾く鍵盤を、グランドピアノから上段の電子キーボード?に移行し始めました。音といいリズムといいゲームのボス戦BGMを聴いているようで。それが逆にジャズっぽくなくてぼくは面白いなと思いました。「Bonus stage」を聴いてみても、やはりゲーム曲を主題にしてそうな曲がアルバムに多く含まれていますね。

キーボードはグランドピアノの横にも配置されていて、グランドピアノとの同時弾きは、もう凄い!としか言えません。複数ある鍵盤を器用に扱うその手捌きこそ、世界を渡り歩いて名声を上げた要因なのではないかと思いました。


⑤ジャズは、メンバー同士の”会話“


僕が2階席でも最後列に座っていたので、ほぼほぼステージの両脇に設置されたモニターで、演奏の様子を拝見していました。

トランペットのアダムさんの少し苦しそうな熱のこもった表情には、思わず感情移入してしまいました。

あと上原さんは、ヤンチャでイタズラ好きな少女のような弾き方が良いんですよね。ベースのアンソニーさんが上原さんを見て微笑んでいる姿もまたエモい。

ジャズは、楽器の出す音や表情や心情を読み取る会話なんだ...!と自分の中で確信しました。色んな楽器を通して、このバンドメンバー同士の会話を今聴いているんだと。そうと分かってからはもう釘付けです。

⑥即興ソロはマジでヤバい!

ジャズの魅力といえば各ソロパート。BLUE GIANTで、その魅力を熟知していました。

上原さんの即興ピアノは...もうヤバかったです。時間が止まっているのか、それとも時間だけが進んでぼくは過去に置き去りにされているのか。
ピアノの弾くスピードに追いつけず、混乱を極めました...。

総じて言えるのは、メロディー全体が洗練された美しさを纏っている。もう速すぎて何にがなんだか分からないけど、音楽としては成立していると思えてしまう...摩訶不思議です。

あとはジーンさんのドラムも良かったですね。ソロで5分以上は続いていたのではないでしょうか。プレッシャーを一切感じさせないプレーで、会場全体の空気を支配していました。カッコよかったです。



ということで、約2時間半のライブはあっという間でした!

初ジャズ最高でした。まさに「リアル BLUE GIANT」でした。年齢を感じさせない活きの良い演奏を目の当たりにし、青春も確かに感じられました。

ジャズは想像力が拡がる。音楽もまた。

上原ひろみさん。感動をくれて、本当にありがとうございました。また見に行きます。



以上です!


では、また。

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