トランプ陣営 勝利へのシナリオ

いよいよCNNさえもが、トランプが大統領になりうる可能性に触れ始めた。

昨日ペンシルベニアの連邦第3巡回区控訴裁判所は、同州で民主党のバイデン候補が大統領選に勝利したとする結果の認証を巡って、差し止めを求めていたトランプ陣営による訴えを退けたが(トランプ弁護団は連邦最高裁に上告する)、同日行われたペンシルベニアの議会公聴会を経て、多数派を占める共和党議員団が、州行政当局によるバイデン認証にも関わらず自らが選挙人を選出する旨の声明を出した(これは合衆国憲法上、可能。ただし見解は分かれる)。

これに対しては恐らく民主党が訴え起こすとともに、自ら選出した選挙人を送り込むであろう。1月6日に大統領・副大統領を決める上下院合同の両院総会で選挙人の投票が行われるが、そこにはペンシルベニアから対立する二つの選挙人団が送り込まれるという前代未聞の事態になる。この場合、結局、ペンシルベニアの選挙人は確定できない、ということになる可能性が高い。

同じような動きが、今現在、共和党が多数派のアリゾナ、ミシガン、さらに民主党が議会多数派のネバダでも起こっていて、これらの州では議会公聴会の日程がすでに確定している。これらの州で、ペンシルベニアと同様に、11月3日の一般投票に基づく選挙人(バイデンに投票)とは別の選挙人が議会で選出され(トランプに投票)、1月6日の両院総会での選挙人としてこれらの州の選挙人団が確定できないということになれば、結果としてバイデンとトランプのいずれも270の選挙人を獲得できず、その結果、下院において各州1票の投票が行われ、共和党が多数を占める州の26票、民主党が多数を占める州23票で、結果としてトランプが当選ということになる。

トランプ陣営は、このシナリオに照準を合わせているものと思われる。


Article II - U.S. Constitution

Article II

Article Text | Annotations

Section 1.

The executive Power shall be vested in a President of the United States of America. He shall hold his Office during the Term of four Years, and, together with the Vice President, chosen for the same Term, be elected, as follows:

Each State shall appoint, in such Manner as the Legislature thereof may direct, a Number of Electors, equal to the whole Number of Senators and Representatives to which the State may be entitled in the Congress: but no Senator or Representative, or Person holding an Office of Trust or Profit under the United States, shall be appointed an Elector.

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