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ジェイソン・ボーンを見て来たというはなし(とちょっとだけ父の話)

9年間。
前作「ボーンアルティメイタム」からシリーズ最新作である「ジェイソン・ボーン」の公開までの時間だ。小学一年生の子供は高校一年生になるし、(当時)23歳の私は気付けば32歳になってしまう時間の経ちようだ。
昨年亡くなった父がボーンシリーズが大好きで、新作が出るたびに一緒に見に行っていたのを(昨日のようには難しいが)思い出す。
10代から20代前半にかけては人並みに思春期で、友人との付き合いを優先してしまい、映画好きの父にあまり付き合ってあげられなかったのが悔やまれるが、亡くなる前のここ何年かはちょくちょく一緒に映画館に行って、帰りに和幸(父、トンカツが好物!)で観た映画についてあーでもないこーでもない言うのが楽しかった。幸せな時間だった。

同じく大好きだったスパイ映画のシリーズである「ミッションインポッシブル」の新作は、父が亡くなる前に病院を抜け出して、最期に観に行くことが出来たのは本当に嬉しかったし、父本人も喜んでいたんじゃなかろうかと思う(ローグネイションです。最高だった。今でも見るとちょっと涙出る)。
それだけに、「ちょっと待たせすぎじゃないか?マットデイモンさん」と思ったりしてしまうのだ。

マットデイモンは昔から私も大好きで、近年だと、エリジウムとかオデッセイとか、名作だと思う。特に主演、ベンアフレックと共同脚本を務めた「グッドウィルハンティング」なんかは10回は観てるんじゃなかろうか。背景にある、この若者二人のシンデレラストーリーも素敵だ。

前置きが長くなってしまいましたが、そんなマットデイモンとポールグリーングラス監督(一作目は監督別。名前が素晴らしい、ヘルシーで)がタッグを組んだボーンシリーズの新作を観て来たのでその感想を。

結論から言うと十分楽しめた。
フィルマークスでは公開前のカキコミがあんまりだったので恐々観に行ったが、なんだ!面白いじゃん。といったところ。
https://filmarks.com/detail/66777

マットデイモンも歳をとったものの、体はキレッキレで(なんだったらパンプアップしてるw)、カーチェイスのシーンなんかはシリーズ一作目のミニクーパーでの気の利いた立ち回りと比べても気が利いているだけじゃなく派手になっていて、手に汗握るようだった。
もちろん格闘やガンアクションも、過去作のそれと同様にリアリティ(を感じる)溢れるもので、椅子を壊して木材を装備するシーンでは心の中でコレコレ!と歓喜したものだ。

ニューヒロインのアリシアビキャンデルさんも美しく、顔にしたたかさが現れているし、カジュアルな衣装もあいまって新世代のエリートは野心もあるし、能力も高いけど、どこかでこんな感じなのかも。オスカーバリューを除いても素晴らしいキャスティングだったんじゃなかろうか。美人だし。

上記の世代交代やSNSの政治利用も、Facebookの都市伝説(諜報機関の情報収集に使われているというもの)など、世相が現れていて非常に面白い設定だった。

物足りない点ももちろんあって、
・まず刺客に追われてる感が少ない。
・スロースタートな気が・・・・・
・動機が弱い(あるいは設定が無理矢理すぎ)
といったところか。
過去作では記憶喪失でアイデンティティの喪失から取り戻したいという意思が物語に推進力を与えていたと思うので、記憶戻った→まだ戻ってない記憶あるよ!がちょっと無茶に感じた。

それでも過去シリーズのいいところ(細部)はしっかり踏襲出来ていると思うので、ファンの方は見た方がいいと思うし、未見の方も十分楽しめる、かつ過去作見たくなるような出来なんじゃないかなと思います。

例のやたらベイベーベイベー言うテーマ曲が流れるエンディング含め、物語の締めっぷりは見事だし、先を感じさせるラストになっていて、さらなる続編を期待して待つわけです。
007やミッションインポッシブルとはまた一味違うスパイアクション映画としてマットデイモンがジジイになるまで続けて欲しいなあ。

というわけで映画の感想をはじめてnoteで書いてみました。
誰が見て下さるか(はたまた誰も見ないか)わかりませんが、また定期的に書いてみようと思います。おさらいにもなるしね。

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