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熱帯魚

小さな頃からちょっと独特な感じでは見られていた。
小学1年生から学級委員をしていて、お行儀が良い児童だった。
勉強も運動も、そこそこにできた。
でも自分の中では、圧倒的な空想世界が広がっていて、つまらないなと思えば、頭の中でお姫様が拘束されて、敵につかまって、敵の主の好みの服装に着替えさせられ、お漏らしをするというシチュエーションを。
また別の時は可愛らしい高校生のお姉さんが悪の組織につかまって、ピエロの間抜けな衣装に着替えさせられ、曲芸をしながら放尿をするなど、物心つく前から羞恥、フェチの幻想を抱いていた。
こういうのは挙げだすとキリがない。

異性を好きになるという感覚は、いつからだろうか。
でも少なくとも幼稚園くらいにはうっすら好きな人がいた。
その時の感情はもうおぼろげだけど、その好きな子にお漏らしをしている場面を見られてものすごく恥ずかしかった記憶がある。

別のブログかツイートかは忘れたけれど、私の初体験は、私の苦手な女の子が好きだった男の子だ。女の子はずっとその男の子が好きで、私は彼女の感情に大分振り交わされ、好きでもないのにチョコをあげたり、彼女の伝書鳩みたいな役割をしていた。
彼自身が私の事をどこまで好きだったのかは分からないけれども、あの時、間違いなく田舎で、長さな馴染みで、付き合っているかどうかの関係性もあいまいな中、初めてのキスをして、生で行為に及ぶというのは二人だけの秘密の行為だったには変わらない。
当時の行為は生々しく、私の日記に記されている。

その後、強烈に好きになった彼氏は、私を完全に水着とタイツフェチにしてくれた人である。彼はまじめで、クラスの中でも控え目で、縁の下の力持ちのような存在だった。
当時の彼は、童貞で、私が全部奪ったかたちとなった。
高校生の性欲は無限大で、電車が通る公園で、デパートの人があまり行き交わない階段で、町の図書館で…秘め事を行った。
当時の私は今よりずいぶん痩せていて、見る影もないけれども、通っていた高校の中では美脚だと言われていた。…おそらくそうなったのは、ルーズソックス全盛期に黒ストを履きだした影響が大きいと思う。
彼は黒ストの脚をすごく愛でてくれた。
脚の形も、つま先の匂いも、セーラーのスカートの中に潜り込んで私の太ももからあそこを舐めてかわいがってくれた。
その際に、強烈に私は彼に自分の底の部分を知って欲しくて、交換日記をしてもらっていた。そこからなのかな、自分の文章に反応がある人が少し気になるようになった。

大学はもう少しまっとうな付き合いができるかと思ったけれども、外見とペニスしか見ていない男性には、特段の魅力も感じず、私も誰かを愛すというよりは、SEXしてSEXしてSEXした。
何の気持ちも残らないSEX、インスタントなSEX。
でもそのおかげで、やっぱり自分の根底はフェチだし、よくわからない自分を見て欲しい願望(ナルシズムではなく、知って欲しいという意味合い)が人一倍強いのだと思った。

そう、例えていうなれば、水槽の中で自由に泳ぐ熱帯魚。
温度管理も、お掃除も、主である飼い主なくしては、いきいきと泳げないけれども、水槽の中では自由に泳ぐ熱帯魚。
私はその限られた環境の中で、じっと見ていて欲しいし、愛でて欲しい。

だからなのかな、マスクオンも好きなのだけれども、狂気的な愛を振り注ぐ笑顔が見たくて仕方が無くなる。
彼も、私も興奮してやまないのに、どこか穏やかさがある。

見られながら、自分が崩壊しているのも分かるし、普段なら大嫌いな自分の姿を残して欲しくなる。

時々自分がそういう人にとてつもなく甘えたくなる。
そういう人じゃないと、自分を出せない歪さがある。
腕にしがみついて、足を絡ませて、そのまま圧死してもいいくらいに、抱きしめてくれやしないかと。
いい歳なのに、未だそんな幼さが存在している。

水槽があればいいのに。

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