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人にものを教えるようになったら終わりってこと

「えー!!そうなんですか!?」
僕が10人のメンターにコンサルしてもらっていると伝えると、かなり意外だという反応が返ってきます。
僕にはいろいろな事を教えて下さる人が居ます。
「コンサル」や、「セミナー講師」という肩書を名乗り始めると、「人に教える」という行為を行って対価を得る事になるのが一般的だと思います。
ここで結構分水嶺となるのが、「そうなった後」で、学びをつづけるかどうかという所がキーになるのではないかと思います。今日はそのことについて書いてみたいと思います。

先輩の教え

僕の先輩は、ありがたいことに無茶苦茶でした。
自分が出来ないけど、やったほうがいいことを次々と言ってきます。
そう。実は、「自分が出来る事を教える」のってあまり有効じゃないと思うんですよね。
「僕が出来るかどうかは考えんくていい。お前にとって出来た方がいいこと」を教えるのが良いコンサル・コーチなんじゃないでしょうか。そうしないと、成長したらより強い人にチェンジしなきゃいけなくなっちゃいます。
で、先輩の教えはこちら

いいか、お前はまだ20代だけど、これから先、年を食っただけで人から色々聞かれるようになる。その時、人にものを教えるようになったら、その途端、人はお前にものを教えてくれなくなる。

めんどくさい先輩の教え

また、その先輩はさらにこのようなことも教えてくれました。

いいか、病院の先生がお客にたくさんいるけど、勤務医の頃は代わりの先生が居るから毎月学会や勉強会などに出席する。最新情報を常に取り続ける。それが独立して開業した瞬間から情報のアップデートが止まる医者が多い。それでもしっかりインプットも大事にする先生は、拡大も承継もうまくいってる。ビジネスで同じだ

めんどくさい先輩の教え2

意外と知らない、経営者の属性

時々伝えて「あー!ほんとだ!」って思われることがあります。それは、
商工会議所や経営者の集まりに行くと、様々な経営者が居ます。でも、その経営者の中で、自分自身で起業した人はかなり少ないって事。承継しただけ、承継する予定って人がかなり多い。
確かに経営者かもしれないけど、案外、「経営者という仕事をしている人」という事と、「倒産したら破産する事になる(最近保証せんくなってこれも外れそう)」くらいの違いで、実際には、社員より横暴なサラリーマンという事が結構ある。
会社からお金を貰えなきゃ生活できない。社員よりも応用が利かず、転職出来ない・スキルのない経営者って結構居ます。
もちろん、起業したこと無いし、親の業務を引き継いでいるだけなので、まあ、経営者という仕事をしているだけという事が多い。

セミナー講師になってからの学び

僕自身、セミナー講師になってみてびっくりしたことが2つあります。
1つは、セミナーの受講生は、セミナー講師が半分以上って事。
僕はマニアックなセミナーを行っているため、かなりクローズドなコミュニティです。
その受講生は、なんと半数以上が講師。まあまあその世界では有名な人だったりします。
もう1つは似ているんですが、面白い事が起きます。
それまでは僕はお金を支払ってそのような先生のテクニックを聞いていたのに、なぜか講師になったら、お金を貰ってテクニックを「え。それってどうやってるの?見せてよ」って言える事。そして、支払っていると見えないものが、貰いながら、支払っていた頃よりもフランクに聞ける分、利も大きいんです。ひえー!!!
そう。成長が止まっていない人は、ずっと学び続けているんです。そして、教えるようになったら、それはある程度費用の支払いが出てくるという事。ただ違うのは、お金を貰いながら支払いながら、という事になるので、ただの受講生の頃とは全く違う世界観であるという事もあります。
これも同じですよね。講師になってから学びがピタッと止まる人が居ます。しかしそういう人はある日から見かけなくなります。学び続ける人と講師デビューで止まる人。面白いですね。

人にものを教える立場になるために

これが面白いんですね。
人にものを教えるようになるために必要なことって、意外と「特にない」んです。
お医者さんやセミナーだと、ある程度の初期投資や免許皆伝みたいなことが必要ですが、経営者なんてまさに極地。
勉強してなかった人でも、会社規模、会歴、年齢等、実際に「的確なアドバイスが出来るか・知識があるか」とは全く違うパラメータで人にものを教える事が出来るようになります。会合ではそうですが、経営もそうです。株主であるというだけで、上に立って決定をしていくわけです。正しい判断をすることが上手かどうかではないんです。

いろんな人を見ていると、「教えている間は知識がない事がバレないと思ってるのかな」って人が結構居ます。
人にものを教える立場になるために必要なのは、案外「人にものを教える立場になるに足るかどうか」ではない事が多いです。

成長しつづけるためには

成長し続けるためには何が必要か?
それは、成長し続ける心構えと法則だと思います。
人にものを教えるようになったら誰も教えてくれなくなる。という師匠の教えはまさにそれ。
慢心・気持ちよさ・上手になったという勘違い。
これらにすぐに陥る自分なんていう生き物だと心に刻んで、常に学び続ける姿勢・心構えが大切です。
人にものを教える。コンサルの仕事をいただけているからこそ、より効率的な学びを修めるチャンスだと思います。
弟子に見せれるのは自分自身がいつまでも弟子よりも遥かに学び続ける姿勢しかないと思います。
社員にも、口先だけで「会社のことを一番考えている」と「言うこと」ではなく、会社の事を一番考えていると「社員に思ってもらう」ように振る舞う事が最も経営者の指し示す方向に共感してもらう方法だと思っています。

まとめ

いかがだったでしょうか。人にものを教えるようになったら終わりというちょっと批判めいたタイトルでしたが、僕自身が心に刻んでいる戒めでした。
今、40社程度のコンサルをしていますが、数々の質問が飛んできます。そしてその質問は結構、満額回答出来る事なんて少ないため、しっかりと専門家機関と契約をしていてそちらに質問をし、回答しています。その1往復こそが私にとって新たな学びとなるんです。40社回しているので、40社分のナレッジが補われていきます。数社にした方が時間がかけれていいという考えもありますが、そうする事で価値貢献が広がるし、数社と契約をして専門的な領域の回答もできるようになっていると思っています。
また、10社(人)程度に僕自身がコンサルをお願いしています。弁護士・診断士・会計士等です。これも同じです。「調子にのる・慢心する」からです。もちろん、コンサルをお願いしているといっても、「そうなんですね!勉強になります!」といった形ではなく、意見交換のような、なんならコンサルされてるんだからしてるんだか、って感じにはなっていますが、それでも色んな案件について壁打ちする事で、精度高くなっています。
みなさんも、ある程度のキャリアになったところで学習曲線が少し緩やかになってくると思います。しかしながら、その時こそ次のPhaseの成長のチャンスととらえて、一緒に良い会社・良い人生を作っていきましょう。

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