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目減りする価値と軽くなるフットワーク

仕事で出張が増えたので、ここ最近は毎週のように新幹線に乗るようになり、週のうち数日間は外泊するようになりました。

今までは新幹線に乗ることも外泊することも、年に何度かの旅行や帰省、いわば非日常な出来事だったのですが、それも日常のことになってきています。

365日に1回の往復だけだった新幹線乗車が、週に1回の往復で年に52回に増加するわけなので、1回の乗車に対する価値は52分の1になっているわけです。新幹線乗車によるプレミアム感はこうしてじわじわと薄れていってしまっています。

これは疲れ切った時に飲む一杯目のビールは物凄く美味しいにも関わらず、二杯目三杯目と飲み続けることによって、だんだん惰性で飲みつづけてしまうあの現象に少し似ています。

こういった高頻度の出張が続いていくと、移動に対してネガティブな意見が出てきそうなものです。せっかくの出張先の名所も「仕事で行っているだけだよ」といったネガティブな感情です。

しかし、こういった損得勘定ばかりで考えていると得られない感覚もあるものです。一回の移動の機会に有難みを感じている時期というのは、裏を返せば一回の移動に対してフットワークが軽くないということを意味します。

こうしてある種雑な気持ちでとにかくたくさん新幹線に乗ることで、フットワークは物凄く軽くなりました。時間や金額を事前に丁寧に調べて出発するといったことなどなく、コンビニやスーパーに行くかのように自然と遠出をするようになります。

そう考えると年間で52回しかない週末の貴重な休日を家から出ずに無駄に過ごしてしまうその時間の方が何よりの機会損失だと考えるようにもなりました。

もちろん財布との相談はマストですが、行ったことのない土地に赴くという体験は非常に価値のあることなので、合理的に考えたとしても、目減りしてしまう新幹線のプレミアム感以上に、移動に対して軽くなっていくフットワークの方が、得る価値は大きいのかもしれません。

人生において何が大切であるか、それを早期に見つけて行動することが何よりも重要になるのでしょう。

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