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毒と対峙する知恵~口にする毒~

いつも読んでいただき
ありがとうございます。
さおりんです。


人間がはじめて毒を利用したのは
おそらく狩猟でしょう。
やがて人間は、毒を上手に操りながら
歴史と文化を築いてきました。
今回は人間による毒の利用を
見ていきましょう。


日本では抗毒素の開発が進んでいて
抗毒素は毒素に結合して
その効果を中和する抗体です。


ウマなどの動物に毒性を抑えつつ、
抗原性を保ったものを注射して抗体を
つくり、精製して得られます。


毒蛇の抗毒素(血清)が特に有名で
ハブでは咬傷による死亡者が
激減しました。


ヘビ以外にももクモ毒や破傷風毒素、
新型コロナウイルスの治療にも抗毒素
(中和抗体)が用いられています。
毒の一部は人間が開発した技術で
無力化できるのです。


実際に、国内ではまだ使用されていない
セアカゴケグモの血清も
準備されているそうです。

・フグ
フグ料理では、トラフグのてっさ(刺身)
皮や白子のポン酢が有名です。
フグは種によって有毒部位が異なり、
素人の調理は非常に危険です。
免許を持った料理人などは有毒の部位を
慎重に取り除いて調理しています。


・ウナギ
蒲焼などで日本人が好きな
二ホンウナギも有毒動物であり、
血液と粘液に毒をもちます。
ただし、これらの毒は熱に弱く、
加熱することで無毒化されます。
二ホンウナギの刺身を
あまり見かけないのは毒が理由でした。


・キャッサバ
タピオカの原料でもあり、
冷凍うどんにも使われている熱帯地域の
代表的な作物であるキャッサバは、
青酸配糖体とその分解酵素を別々の細胞
にもっています。
細胞が壊れると分解酵素がはたらき青酸
を発生させることで食害を防いでいる
のです。
食用にするにはこの根茎をすりおろし、
水に晒して青酸を溶かしだして
無毒化していきます。


キャッサバの主な毒抜き方法は
①水に溶かす
根茎を茹で薄く小さく切って
流水にさらします。
根茎をすりおろし、水にさらして
沈殿したデンプンを採ります。

②酵素による分解
根茎の皮をむき、細かく切るか
すりおろし、一晩から1日放置します。
(キャッサバ自体の酵素で青酸配糖体を
分解します)
根茎の皮をむき、薄切りにして天日干し
にします。

③微生物の利用
皮をむいた根茎にカビをつけて、
カビの酵素により青酸配糖体を分解します。
皮をむいた根茎を池や水たまりの水に
数日間浸け、微生物の酵素で青酸配糖体を
分解します。
根茎をすりおろし、袋に入れて1週間以上
放置し、繁殖した微生物の酵素で
青酸配糖体を分解します。


・こんにゃく
日本の伝統的な食材であるこんにゃくは、
こんにゃくの塊茎から作られます。
シュウ酸カルシウムを含むため、
以下のような工程で除去し食用にします。

・シャグマアミガサタケ
毒キノコは決して食べないのが原則ですが
猛毒のシャグマアミガサタケは
フィンランドでは大量のお湯で
茹でこぼして毒抜きして食べられています。
販売もされていますが、特殊な毒抜き作業
の途中で中毒する危険性もある恐ろしい
きのこです。


・スギヒラタケ
長い間食べられる野生のきのことして
知られていましたが、
2004年に腎障害の素因をもつ人には
毒性があることがわかってからは、
毒キノコとして扱われています。


・アスベスト
長い間、魔法の鉱物として
重宝されてきましたが、1970年代から
人体や環境への有毒性がわかり、
現在では使用禁止となっています。


・ペニシリン
バクテリアの細胞壁の合成を阻害し、
生育を抑制します。
バクテリアにとっては、
毒ということができるのですが
人間はその利用を考えました。
このように役に立つ毒
というのもあります。

次回は、研究者の方々への毒がテーマ
のインタビューをご紹介します。


ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
さおりんでした。

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