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「きっと晴れる」

夕立ち
あっという間もなく立ち込めた雲は
わんわん泣いて
わんわん泣いて
きっと私が今朝早起きして
ベランダに干してきた洗濯物を
今頃すっかりびしょびしょにしているんだろう

どうしてそんなにいっぱいの
涙を溜めていたんだろう
そんなにそんなにいっぱいの
涙を溜めていられたんだろう
どくどくどくどく溢れてくる
涙はとてもあたたかくて

出掛けた喫茶店の窓から眺める
アスファルトは濡れて すっかり濡れて
でも夕立ちは
もう涙を枯らしたのだろうか
気づいたら 止んでいる

これで全部吐き出したならいいけれど
これで全部吐き出したならいいけれど

涙を流すのも 疲れるよね
少し眠った方がいいよ

洗濯物はもう一度
今夜洗い直そうね
だから明日は晴れますように
あなたの心も 晴れますように

―――詩集「対岸」より

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