林朋寛

札幌で弁護士をしています。(札幌弁護士会所属) 北海道コンテンツ法律事務所 https…

林朋寛

札幌で弁護士をしています。(札幌弁護士会所属) 北海道コンテンツ法律事務所 https://www.sapporobengoshi.com/

最近の記事

フリーランス新法の施行に備える

昨年令和5年に成立したフリーランス新法、フリーランス保護法などと呼ばれる「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」は、今年令和6年11月1日に施行される予定です。新法について、ざっくりまとめます。細かいところは、弁護士に相談するなどして確認してください。 社外の事業者に業務委託をする企業は、このフリーランス新法に備える必要があります。 「委託」は注文する側、「受託」は注文を受ける側(フリーランス側)です。 フリーランス新法が適用される委託事業者・受託事業者は限られ

    • 函館弁護士会の道弁連脱退の問題(昭和40年)

      私が札幌弁護士会を訴えた不当利得返還請求訴訟で、被告の札幌弁護士会から、過去の道弁連会費の経緯の証拠として『道弁連五十年の歩み』(1990年・平成2年)という書籍の一部が提出されています。 この書籍の中に、昭和40年(1965年)に函館弁護士会が北海道弁護士会連合会(道弁連)を脱退する総会決議をしようとした件が載っていました。 弁護士会が弁護士会連合会を脱退しようとした事例として珍しいので紹介します。 上記書籍20頁21頁によると、昭和39年ころに最高裁が札幌高裁函館支部な

      • 詐欺の被害者の2次被害

        法律事務所(弁護士の事務所)が国際ロマンス詐欺などの詐欺の被害者多数から依頼を受けて多額の着手金を受領したのに、実際には事件の処理をしない等の問題が生じています。 問題が生じている法律事務所は、ネット上で広告を展開して多数の相談者を集めているところが多いようです。 (国際ロマンス詐欺というのは、SNSやマッチングアプリなどで知り合った”外国人”とメッセージのやり取りをして恋愛感情を抱かせて、色々と理由をつけて送金させる手口の詐欺です。) 一部の法律事務所によって、詐欺の被害

        • グーグル広告で損していたこと

          事務所ホームページやペライチで作ってみたLPをGoogleの広告に出していました。 クリック数はそれなりにあったので広告費はかかってましたけど、その割に反応が少ない気がしていました。 Google広告はクリック数で広告費が発生するので、問い合わせにつながらないクリックは、広告を出す方からすると無駄なものになります。 よくよく調べてみると、Google広告は、検索結果のリストだけでなく、地図(マップ)でも表示されていて、マップでのクリックがほとんどという状態でした。 弁護士(

        フリーランス新法の施行に備える

          懲戒逃れに対応する弁護士法改正を

          依頼者からの預かり金や弁護団の預かり金を着服したとされる弁護士が、弁護士会の懲戒手続きが開始される前に弁護士登録を抹消して懲戒手続きから逃れる事態があることが報道されています。 【弁護士が依頼人の金銭着服、逮捕・起訴相次ぐ…「懲戒逃れ」?直前に退会も】https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240408-OYTNT50053/ 他に、性加害で勤務弁護士の女性が自殺した件の弁護士も懲戒手続き開始前に弁護士登録を抹消していた

          懲戒逃れに対応する弁護士法改正を

          【原告準備書面2】札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟

          昨日公開した原告準備書面1とともに、昨日の口頭弁論期日で陳述した原告準備書面2です。分量としては9頁でした。 次回期日までに被告から反論等の書面が出る予定です。 令和5年(ワ)第2440号 不当利得返還請求事件 原告 林 朋寛 被告 札幌弁護士会 原告準備書面⑵ 令和6年2月22日 札幌地方裁判所 民事第3部合議係 御中 原告  林  朋 寛  第1 総会決議の遡及的効力の無効について  1 租税事案について ⑴ 被告は、弁護士法等には会費の規定の会則や総会

          【原告準備書面2】札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟

          【原告準備書面1】札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟

          本日(2月29日)、札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟の第2回口頭弁論期日がありました。 答弁書に対するこちらの反論の番でしたので、原告準備書面1と2を陳述しました。 準備書面1が10頁になったので、主張の後半を準備書面2にしました。 実際の原告準備書面1の方には、黄色マーカーをした部分があります。 原告準備書面1をコピペしたものを以下に掲載します。 令和5年(ワ)第2440号 不当利得返還請求事件 原告 林 朋寛 被告 札幌弁護士会 原告準備書面⑴ 令和6年2月

          【原告準備書面1】札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟

          【被告代理人】札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟

          先日、他の弁護士と雑談した際に、札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟の被告代理人は誰がやっているのかという質問を受けました。札幌弁護士会に所属の弁護士としては、札幌弁護士会の代理人は誰なのか興味あるところなのかもしれません。 被告の札幌弁護士会の代理人は、2人で、樋川恒一弁護士(平成31年度会長・平成20年度副会長、といかわ法律事務所)と 綱森史泰弁護士(平成29年度副会長、ほっかい法律事務所)です。

          【被告代理人】札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟

          【訴状】札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟

          札幌弁護士会に対して提起している不当利得返還請求訴訟の訴状をコピペして以下に公開します。 訴訟は、本日1月18日、第1回口頭弁論期日がありました。次回も口頭弁論期日で続行しています。 実際の訴状には黄色マーカーや枠付けをしている箇所があります。これらはnotesでは表示されていません。目次もうまく表示されないようなので省略します。 また、瀧澤副会長からのメールの引用部分については省略しています。 訴 状令和5年11月10日 札幌地方裁判所 御中 原告  林  朋 寛 

          【訴状】札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟

          肥大化している弁護士会

          東京弁護士会が授賞を決めた人権賞について、ネット上で批判が上がっています。 この問題は、「人権賞 草津町」などと検索してもらえばどういう件なのか分かるかと思います。 弁護士会が「人権賞」なる賞を授与する理屈は私にはさっぱり分かりません。副賞が合計100万円というのも理解できかねます。 東京弁護士会ホームページでの今年度の会長あいさつを見ると、委員会等は70を超えると自慢げに書かれています。東京弁護士会は、全国に52個ある弁護士会の中で今のところ最大の会員数の会ですから、委

          肥大化している弁護士会

          札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟の提起

          私自身が原告となり、札幌弁護士会を被告として、274万1000円の不当利得の返還を求める訴訟を札幌地方裁判所に提起しております。訴状は令和5年11月10日付です。 弁護士は、事務所のある場所を管轄する弁護士会(弁護士業界では「単位会」などと言われます。)と日本弁護士連合会(日弁連)の2つに加入しないと、弁護士として仕事はできないことになっています。強制加入なので、弁護士をやろうとすれば必ず、単位会と日弁連に所属しなければなりません。 私は、平成28年・2016年3月に那覇か

          札幌弁護士会に対する不当利得返還請求訴訟の提起